MDGsは主に発展途上国の課題に焦点を当てていましたが、SDGsは先進国を含むすべての国が取り組むべき普遍的な課題として策定されました。その背景には、MDGsでは解決しきれなかった地球規模の課題、例えば気候変動、環境破壊、貧富の格差拡大、ジェンダー不平等などがより深刻化したことがあります。
また、2012年にブラジルで開催された国連持続可能な開発会議(リオ+20)では、「地球の限界」という概念が明確に認識され、環境保全と経済成長を両立させる「持続可能な開発」の重要性が強く提唱されたことが、SDGs誕生の大きなきっかけとなりました。

SDGsは、17の目標と169のターゲットから成り立っています。
これらの目標は、経済、社会、環境の各分野における持続可能な発展を実現するための具体的な指針を示しています。SDGsの17の目標については以下の通りです。
あらゆる場所でのあらゆる貧困を終わらせる。
飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する。
あらゆる年齢のすべての人々に健康的な生活を確保し、福祉を推進する。
すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯教育の機会を促進する。
ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強化を行う。
すべての人に安全な水と衛生設備が使える未来を確保する。
すべての人々が、安価かつ信頼できる持続可能で近代的なエネルギーへのアクセスを確保する。
包摂的かつ持続可能な経済成長と全ての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用を促進する。
強靭なインフラを構築し、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る。
国内および国家間の不平等を是正する。
包摂的で安全かつ強靭で持続可能な都市と居住環境を実現する。
持続可能な生産消費形態を確保する。
気候変動とその影響を軽減するための緊急対策を取る。
持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する。
陸上生態系の保護、回復および持続可能な利用の推進、森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、
土地劣化の阻止および回復、ならびに生物多様性損失の阻止を目指す。
持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人に司法へのアクセスを提供し、
あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任ある制度を構築する。
SDGsの達成に向けた実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する。
SDGs達成度に関する報告書は、SDSN(持続可能な開発ソリューション・ネットワーク)とドイツのベルテルスマン財団によって毎年発表されています。2024年のランキングでは、フィンランドが1位、スウェーデンが2位、デンマークが3位と、北欧諸国が上位を占めています。これらの国々は、政府主導での取り組みや、企業・市民の意識の高さが特徴です。
政府が中心となり、循環経済への移行や教育を通じた持続可能性の啓発に力を入れています。例えば、ヘルシンキ市では公共交通機関の利用促進や廃棄物の削減に積極的です。
企業のSDGsへの意識が高く、多くの企業がサプライチェーン全体での環境負荷低減に取り組んでいます。事例として、廃棄物処理会社のラグンセルスは、断熱材のリサイクルやバイオ燃料への転換といった革新的な取り組みを進めています。
環境意識が非常に高く、風力発電などの再生可能エネルギーの導入に積極的です。コペンハーゲンでは、SDGsの17の目標全てを達成できるようなビレッジ「UN17 Village」の建設プロジェクトが進められており、持続可能な都市モデルの構築を目指しています。
2024年度のSDGs達成状況は18位で、前年から順位を上げています。特に「産業と技術革新の基盤をつくろう」(目標9)は達成済みの目標とされており、インフラ設備の普及や技術革新が進んでいます。しかし、「貧困をなくそう」(目標1)や「質の高い教育をみんなに」(目標4)では改善が見られるものの、相対的貧困の課題や教育機会の不平等といった問題が依然として残っています。さらに、ジェンダー平等(目標5)、海洋汚染(目標14)、森林破壊(目標15)といった分野では、依然として大きな課題が指摘されており、より一層の取り組みが求められています。
様々な目標のあるSDGsですが、私たち食品業界も取り組む必要があります。
ここでは取り組み方をいくつかご紹介します。
世界では食品ロス問題が深刻となっており、日本も例外ではありません。
食品ロスとは、本来まだ食べられるにもかかわらず廃棄されてしまう食品を指します。
日本では年間約523万トン(令和3年調べ)の食品ロスが発生しており、毎日1人あたりおにぎり1個分(約114グラム)を捨てている計算になります。
これは貧困や災害時の緊急支援など、世界の人々に対して支援される食品の量より、日本で廃棄されてしまう食品の量の方が多いのです。
食品ロスには、規格外品や返品、売れ残りなどの廃棄による「事業系食品ロス」と、食べ残しや未開封の状態で廃棄される直接廃棄と呼ばれる「家庭系食品ロス」があります。
事業系食品ロスを削減するため、賞味期限や消費期限の近い商品を割引きするなど、販売方法の工夫による売れ残りの削減対策や、家庭系食品ロスを削減するため、青果物などの鮮度を長持ちさせる鮮度保持フィルムや、魚や肉などの消費期限を延長することができる真空スキンパックなど、食品ロスを削減するためのロングライフ化技術の導入が注目されています。
このようなことから、食品ロス対策をすることにより、
目標12「つくる責任つかう責任」に取り組むだけでなく、
本来食べれる食品を世界の貧困で苦しむ人々へ支援する形となり、
目標1「貧困をなくそう」、目標2「飢餓をなくそう」への貢献にもなるのです。
食品ロスについての詳しい記事はこちら
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食品ロス(フードロス)とはなにか?削減のための対策や取り組みを解説します
現在の地球は、温室効果ガスの排出量が多いことから地球温暖化が進んでおり、異常気象などの影響がでています。
また海洋汚染や森林破壊などによって、地球上のあらゆる生命が危機にさらされています。
食品業界では、なるべくプラスチック製品の使用を抑える脱プラスチックの取り組みや、
サトウキビなどの植物由来の原料を使い、土や海などの微生物の働きにより、
最終的に水と二酸化炭素へ分解される生分解性プラスチックを使用するなどの取り組みがあります。
これらの環境に配慮したトレーを使用することによって、
目標14「海の豊かさを守ろう」、目標15「陸の豊かさも守ろう」に貢献することができます。
食品トレーについての詳しい記事はこちら
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食品トレーの役割とは?環境配慮型素材やリサイクルへの取り組みを解説
イオン株式会社様では、食品ロスと使い捨てプラスチック使用量の削減に取り組んでいます。
2025 年までに2015 年度比で食品ロスを半減する目標を掲げ、売り場管理や AI による発注精度の向上、MAP包装技術の導入や、「リデュース」「リサイクル」の取り組みを推進し、食品ロスの削減に取り組んでいます。
また、脱炭素型・資源循環型社会の実現に向け、使い捨てプラスチックの使用量を 2030 年までに 2018 年比で半減する目標を策定しています。
自社方針である「イオン プラスチック利用方針」に基づき、使い捨て型利用の見直しや省プラスチック化、
化石由来素材から環境配慮型素材への転換などの取り組みをしています。
SDGsへの取り組み - 公益財団法人イオン環境財団 (aeon.info)
日本マクドナルド株式会社様では、おもちゃのリサイクルと、環境に配慮した素材を使用しCO2排出量削減などに取り組んでいます。
リサイクルでは、店舗に使わなくなったおもちゃの回収箱を設置し、ハッピーセットに付随しているおもちゃのリサイクルを行っています。
これは、こどもたちにリサイクル活動に参加してもらい、環境問題への理解を意識することを目標にしています。
2021年には305万個のおもちゃを回収できたことが発表されており、回収後にリサイクルされたおもちゃは、店舗の食品トレーなどに再利用されています。
また、プラスチック使用量削減のため、プラスチックストローから紙ストローへの変更や、焼却時のCO2排出量を削減できる植物由来原料であるバイオマス素材を配合したレジ袋を使用するなど、環境に配慮した素材を積極的に取り入れています。
おもちゃリサイクル | マクドナルド公式 (mcdonalds.co.jp)
「食とアミノ酸」の分野でSDGs達成に貢献することを目指し、栄養改善、食資源の有効活用、環境負荷低減に取り組んでいます。具体的には、食品ロスを削減する技術開発や、持続可能なパーム油調達への貢献などが挙げられます。
参考:サステナビリティ | 味の素株式会社
「アサヒグループ環境ビジョン2050」を掲げ、サプライチェーン全体での温室効果ガス排出量削減や水資源の保全、持続可能な容器包装の実現を目指しています。リサイクル可能なPETボトルや缶の採用、再生可能エネルギーの導入などを進めています。
参考:サステナビリティ|アサヒグループホールディングス
ファッション業界は環境負荷が高い産業の一つとされており、持続可能な素材の開発や生産プロセスの改善が進んでいます。
サステナビリティを経営の柱の一つとし、商品の全ライフサイクルにおける環境負荷低減、サプライチェーンにおける人権・労働環境の改善に取り組んでいます。リサイクル素材を使用した商品の開発や、水使用量の少ないジーンズの製造技術の導入などが進められています。
参考:サステナビリティレポート 2022 | 服のチカラを、社会のチカラに。 UNIQLO Sustainability
環境保護を企業理念の中核に据え、製品の修理サービス提供や、環境に配慮した素材の積極的な使用、環境保護団体への支援など、多岐にわたる活動を展開しています。
参考:フットプリント | パタゴニア | Patagonia
SDGs(持続可能な開発目標)は、2015年に国連サミットで採択された国際目標で、2030年までに達成を目指す17の目標と169のターゲットから成り立っています。
これは2000年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継であり、「誰一人として取り残さない」ことを理念としています。
SDGsは、経済、社会、環境の各分野にわたり持続可能な発展を目指しています。
MDGsが発展途上国を中心に設定されていたのに対し、SDGsは全世界的な課題を網羅しています。
各国のSDGs達成状況は異なっており、上位国としてフィンランド、スウェーデン、デンマークが挙げられます。
日本は18位にランクインしていますが、ジェンダー平等や海洋汚染、森林破壊など、様々な課題が残っているとされています。
そのようなことから、食品業界では、食品ロス対策や環境に配慮したパッケージの開発など、SDGsへの貢献が重要視されています。
静岡産業社は、食品包装資材を取り扱う企業として、
環境にやさしいい商品の提案に積極的に取り組んでいます。
過剰包装の抑制、環境負荷の少ない素材を活用した包装の提案をはじめ、
食品のロングライフ化、生産工程における食品ロス削減、物流の効率化、
生産者を支援する省人化の仕組みなど、
さまざまな視点で食品業界の持続可能性を高めるアイデアをご提案します。
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