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食品トレーの役割とは?環境配慮型素材やリサイクルへの取り組みを解説

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食品トレーの役割とは?環境配慮型素材やリサイクルへの取り組みを解説

目次




食品トレーの役割・必要性

スーパーで販売されている魚や肉などの生鮮食品、惣菜や弁当、
これら大量の食品を衛生的に消費者の元へ届ける役目を担うのが食品トレーの役割です。

消費者の元へ衛生面を維持したまま届けるには、輸送時の外部からの衝撃や、
空気中に漂うウイルスなど、様々な要因から商品を保護する必要があります。

食品トレーを使用することで、このような問題を解決することができるため、
食品業界において食品トレーは無くてはならない存在なのです。




食品トレーの用途・特徴

食品の保護

食品トレーは店頭や輸送、配送時において、食品を衛生的かつ安全に保護する役割があります。

食品トレーを使用することで、外部からの衝撃などの物理的な要因から食品を保護し、
食品が潰れたり、形が崩れるのを防ぐことができます。

また、食品トレーの中に仕切りを設けることによって、食品ごとの区分けを可能にし、
味の混同を防ぐことで衛生的な状態を保つことができます。

そしてこの仕切りにより、輸送や配送時に生じる揺れや衝撃などによって、
食品のレイアウトが崩れるのを防ぐことができます。



作業の効率化

食品トレーには作業を効率化するための様々な機能が備わっています。

商品を綺麗に陳列することを可能とした形状のデザインや、食材の盛り付け補助機能、
蓋の開閉がしやすい機能など、作業者の負担を軽減する機能があります。

また、在庫管理を容易にするための積み重ねがしやすい機能を利用することで在庫スペースを縮小し、
作業スペースや更なる在庫スペースの確保など、工程削減や省人化に貢献しているものもあります。



情報の伝達

透明な蓋を使用した食品トレーでは、中身の視認性を向上させ、
消費者へ商品の鮮度やおいしさの確認を容易にする効果があります。

また、食品トレーにシールやラベルを貼ることにより、どのような原材料が使用されているのか、
肉や魚であればどの部位なのか、いつどこで製造されたのかなど、
食品の細かい情報や安全性を消費者へ素早く伝えることができます。




食品トレーの登場と歴史

プラスチックが普及する以前の食品容器は、紙や藁、竹皮など、
天然素材とよばれるものが使用されていました。
天然素材による包装技術では、衛生面等の問題から大規模な輸配送が困難だったこともあり、
店頭で販売できる食品は限られていました。

フランス革命も終わりに近い18世紀末、缶詰容器が初めて登場しました。
この缶詰容器を誕生させたきっかけは、かの有名なナポレオンが関係しています。
当時、食料保管庫などを使用してはいましたが、技術が進んでいないことや、
塩蔵、薫製、酢漬けを中心としていたため、味が悪いだけでなく腐敗も多かったそうです。

フランス軍を勝利に導いていたナポレオンは、イタリア、オーストラリア、エジプトなど、
軍事侵攻による海外遠征が多く、勝利するためには兵士の士気が必要であり、
その士気を維持するためには、新鮮かつ栄養豊富で美味しい食料を大量に確保することが重要である、
と考えていました。

そこでナポレオンは、懸賞金をかけて食品の新しい貯蔵法を公募した結果、
瓶に食品を詰め加熱した後、コルク栓で密閉する保存方法が開発されました。
この技術をもとにさらに数年後、ブリキ缶を使用した初の缶詰容器が誕生しました。

時代とともに保存技術や食文化が変化していくなかで、
現在主流となっているプラスチック製の食品トレーが登場したのは、
約1950年~1960年ごろと言われています。
これは第二次世界大戦の終戦後、大量生産、大量流通、大量消費という時代がやってきたことから、
プラスチック容器が食品容器として大量に利用されるようになったと言われています。
蓋をすることで食品の衛生面を保護できること、耐久性のあるプラスチック容器を使用することにより、
衝撃から食品を保護し輸出が可能になるなど、衛生面や輸送面において天然素材を大きく上回ることから、
プラスチック容器が普及していきました。


このように、時代とともに食品容器の技術が発展することで、
現在のように世界中でプラスチック容器が利用されることになりました。




プラスチック食品トレーの種類と環境配慮型トレー

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主なプラスチックトレー

PP(ポリプロピレン)

ポリプロピレンはプラスチックの一種で、無色透明な気体であるプロピレンを使用して製造されています。
優れた耐熱性からを持っており、電子レンジ対応容器、耐熱食品容器などに多いです。


PS(ポリスチレン)

PS(ポリスチレン)は、スチレンという化学物質を重合させて作られる軽量で硬いプラスチック素材です。
この素材は透明性が高く、断熱性と耐衝撃性に優れています。


PSP(発泡ポリスチレン)

PSP(発泡ポリスチレン)は、発泡スチロール素材の1つで、優れた保温性、断熱性が特徴です。
PSPでできた容器はスチレン容器とも呼ばれることがあります。


PET(ポリエチレンテレフタレート)

PET(ポリエチレンテレフタレート)は、石油由来のテレフタル酸と、
エチレングリコールを元に作られた素材で、透明性が高く、
成型がしやすいことから、食品容器に使用されやすい素材です。
PET素材を使用した製品はリサイクルされる機会も多く、環境にやさしい素材です。



環境配慮型トレー

紙を主原料として使用した食品トレーです。

使用したあともリサイクルが可能なため、環境にやさしいトレーとして需要が高まっています。

紙でできている性質上、耐水性や耐油性のない商品もありますが、
植物由来の樹脂を原料としたバイオポリエチレンをラミネートすることで耐久性を高めた製品もあります。


バガス

バガスはサトウキビの搾りカスを原料とした容器で、原料が植物由来であることや、
廃棄されることが多い材料をもとに形成されているため、限りある資源の有効活用がされているトレーです。

プラスチックだけでなく、木材パルプの代わりとして使用することで森林伐採量を減らせるので、
木材などを使用した紙トレーと比較しても環境にやさしいトレーです。


バイオマスプラスチック

原料に再生可能な有機物質源を含んだプラスチックを使用した素材で、
その素材で作られた容器をバイオマスプラスチック容器と言います。

再生可能な有機物資源とは、森林から得られる木材や作物などの植物資源などを指し、
これらをバイオマス素材と言います。

石油資源の代わりにバイオマス素材を使用することで、製造時に使用する石油資源が少なくなるため、
CO2排出削減効果があると言われています。


PLA(生分解性プラスチック)

バイオマス由来ポリ乳酸を配合したプラスチックで、サトウキビなどの植物や、
植物から抽出されるデンプンなどが原料となっています。

最大の特徴は、従来のプラスチックと同等の性質、機能性を持ちながら、土や海などの微生物の働きにより、
最終的に水と二酸化炭素へ分解されることです。

使用する環境さえ適切であればゴミとして排出されることがないため、
近年では使用後の分解性や今後の展望が期待されています。




プラスチック食品トレーのリサイクル

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リサイクルの普及

経済が発展し大量生産、大量流通、大量消費の時代になると、
それに比例して数多くのゴミが出るようになりました。

食品トレーも主に使い捨て容器として使われることが多く、成型物であるがために、
家庭で処理ができないものや、ゴミのかさが増えるようになりました。

1990年代以降、環境汚染、海洋汚染、地球温暖化などの環境問題に対する意識が高まり、
ペットボトルのリサイクルが始まったのをきっかけに、
プラスチック製品のリサイクルが普及していったとされています。



リサイクル素材で生まれる新たな製品

スーパーマーケットなどでは、食品トレーの回収ボックスの設置がよく見られます。
回収ボックスで回収されたトレーはリサイクル工場で「再生ペレット」にリサイクルされます。

再生ペレットにする際、集められた食品トレーは、リサイクル工場で分類とチェックが行われ、
ひとつひとつ選別されます。

トレーには色がついているもの、ついていないもの、柄があるもの、ないものなど様々ですが、
この工程では、白いトレーとカラートレーという大きなカテゴリで分類されます。

その後、細かな異物を取り除き、機械で粉末状に砕いたあと、それを何度も水で綺麗に洗浄します。
更に熱や洗剤を使用して消毒・殺菌・脱水を施した後、熱を加え粒状に加工することで、
プラスチックの原料となるペレットとなります。

こうしてできた再生ペレットには、再生PET(ポリエチレンテレフタレート)、再生PP(ポリプロピレン)、
再生PS(ポリスチレン)などの素材があります。

再生PETは繊維利用が主ですが、食品トレーや卵パック、PETボトルに使われることも多いです。
その中でも透明トレーの素材となるシートの製造に多く使用されており、
普段目にする透明トレーは再生素材でできているかもしれません。

再生PPは運搬に用いられるプラスチックパレットなどに使用されるのが主流です。

再生PSは家電製品複写機の部品や雑貨など、非常に幅広い用途がある素材です。

このように食品トレーのリサイクルは、リサイクルによって生まれたペレットを、
新たな食品トレーやその他のプラスチック製品の原料として使用しており、
限りある資源の再利用をすることで、環境問題への負荷軽減策の1つとなっています。




まとめ

食品トレーは、生鮮食品や惣菜などを外部の衝撃や空気中のウイルスから保護する役割を持っています。
また、食品の形状維持や衛生管理を助けるだけでなく、商品を見やすくし、詳細な情報を伝え、
消費者に安心と安全を届ける役割を担っています。

プラスチック製食品トレーは、1950~60年代に大量生産と消費の時代背景に登場し、
天然素材を上回る性能で広く普及しました。
広く普及することで、品質の良い食品を家庭で食べることができる、遠方へ商品を輸送できるなど、
様々な面で良い効果をもたらしましたが、使い捨ての為ごみがかさばることや、
焼却時のCO2排出など問題点がありました。

このような問題を解決するため、スーパーマーケットでは、
回収ボックスを設置することでリサイクルを推進したり、
紙製トレーやバイオマス素材を使用したトレーなど、
環境を意識したトレーの使用や開発もされています。

近年では、フードロスの観点から食品のロングライフ化も注目されています。
食品専用ガスを使用し、酸化や菌の繁殖を抑えて梱包するMAP包装機や、
食品を急速に冷やすことで食品の品質を落とさず、
消費期限の延長を可能とする急速冷凍機が開発されました。
これらを使用するために、ガスが抜けないように加工を施したバリア性のある食品トレーや、
耐寒性の高い容器などが登場しており、今も時代とともにトレーは変化を遂げています。

食品トレーのリサイクルは、資源の有効活用と環境負荷軽減に大きく貢献していることから、
食品業界にとって重要な取り組みとなっています。




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