- 配膳ロボットとは
- 配膳ロボットの特徴
- なぜ配膳ロボットの導入が注目されているのか?
- 飲食店における配膳ロボット導入によるメリット
- 飲食店における配膳ロボット導入によるデメリット
- 導入事例
- まとめ
- お客様の省人化・省力化をサポートいたします
配膳ロボットとは、飲食店やホテル、病院などで料理や飲み物を運び、客や患者のもとに届けるための自律型ロボットです。
効率的に配膳作業をこなすことで従業員の負担を減らし、サービスの質を向上させるだけでなく、作業の省力化にも貢献しています。
近年では、大手レストランチェーンの導入などによってニュースに取り上げられることも多く、近年の少子高齢化や人手不足の課題がある中で、配膳ロボットはその解決策として注目されているほか、感染症対策の観点から、人と人との接触を減らす目的でも導入が進んでいます。
ロボットが料理や飲み物を自動で運びます。
配膳作業をロボットが行うことでスタッフは他の業務に集中でき、回転率が向上します。
また、人が配膳するわけではないため、非接触を重視する顧客にも応えることができます。
30〜50kg程度の荷物が運べるため、大皿料理や宴会での大量の料理や食器も一度に運搬可能です。
忘年会や宴会など、一度に大量の料理を運ぶときなど、バランスを崩し落としてしまうリスクがありますが、配膳ロボットであればその心配がありません。
また、食後の食器運搬もでき、スタッフの往復回数も減り、効率化が図れます。
多くの配膳ロボットには内蔵カメラや、LiDAR(ライダー)というレーザー光によるセンサー機能が搭載されており、人、物を認知しながら歩行するので、障害物を回避しながら走行し、安心・安全に移動できます。
最近は、主にSLAM(スラム)というシステムが配膳ロボットに導入されており、このシステムにより、今どの位置にいるかの認識や、店内全体の配置を記憶するためのシステムです。配膳ロボットは店内のルートを熟知することで、常に最短距離で目的地まで辿り着くことができます。
複数台の配膳ロボットの位置を把握して連携する機能を備えた配膳ロボットも存在します。
各配膳ロボットが連携することで、効率的に店内を回り、オペレーションをサポートします。
連携することで細かな指示出しをしなくても店内を効率よく回るため、単体でそれぞれ稼働させるよりも飲食店の業務効率化に役立ちます。
「ロボット」ときくと、「指示された作業だけを行う無機質なもの」という印象を持つ人もいるかもしれません。
しかし、かわいらしい声による音声案内や、ディスプレイで表情を表現したりする機能を供えているロボットもあり、簡単なコミュニケーションによって親しみやすさを演出することができます。
飲食店やホテル、ニュースなどでも取り上げられるなど様々な場所で目にすることが多くなった配膳ロボット。
飲食店において、配膳ロボットの導入は以前よりも普及し始めており、より話題を集めています。
なぜ配膳ロボットが注目されているのかの理由として、下記のようなものが挙げられます。
・「人員削減の実現」
・「人手不足の解消」
・「生産性の向上」
・「エンターテインメント性の向上」
次の項目では、配膳ロボットの導入が特に注目されている飲食店を例として、詳しく解説していきます。
物価の上昇に伴い、飲食店の食材費や光熱費も上昇しています。
物価上昇した分を商品の価格改定をすることで改善することは簡単ですが、安易な価格改定は顧客離れに繋がります。
価格改定ができないのであれば、コスト削減をするしかなく、1番コストがかかるのは人件費と言われています。
配膳ロボットを導入することで、料理の提供や食器下げなどの業務を配膳ロボットに任せ、営業時に必要なホールスタッフの数を削減することができます。
人員の削減ができれば、人件費の節約にも繋がり、利益率の向上も期待できます。
配膳ロボットが注目されるようになったきっかけのひとつとして、「人手不足」が挙げられます。
コロナ禍では飲食業界全体が大変厳しい状況に陥り、そのとき削減した人員が未だに戻ってきていないのが現状です。
また、近年の日本の状況として円安の問題もあり、労働市場は日本よりも海外の方が魅力的になってきている点も原因と考えられます。
このような状況下において、配膳ロボットの導入は、少ない人数によるサービス提供の実現が可能なことから、人手不足解消手段の1つになりえるとして注目されています。
配膳ロボットが配膳業務を行うことで、ホールスタッフは接客や電話対応、厨房との連携などに専念できるため、店舗全体の生産性が向上します。
ロボットは一度に多くの料理や食器を運ぶため、スタッフの移動負担が減り、業務の効率化ができるだけでなく、接客に集中できるため、料理提供の遅れや新規客対応の遅延が防げ、顧客満足度も向上します。
また、客席の片付けも効率化され、次のお客様を早く案内できるため、回転率も上がり、店舗全体の生産性がさらに高まります。
配膳ロボットの導入は、お店にエンターテインメント性をもたらします。
店内を歩き回るロボットは新鮮で、顧客が写真や動画をSNSに投稿するなど、話題性を生むきっかけになります。
実際、ロボットを導入した店舗がメディアで報道されるなど、注目度も高まっています。
また、配膳ロボットを導入することで、非接触対応が可能になり、安全性への関心がある顧客にもアピールできます。
導入店舗がまだ少ない中で競合店に先駆けて導入することで、来店動機にもつながり、新たな顧客層を呼び込むチャンスも期待できます。
ここまで様々なメリットを解説した配膳ロボットですが、導入するにあたり相応のコストが掛かります。
また、ロボットを正常に稼働させるためには、通路の幅や段差などの問題もあります。
そのため、ロボットの導入費用に加え、店内の改装費用も必要となる場合があります。
配膳ロボットは非接触での対応が可能かつ、人手不足の解消として役立つ一方で、顧客とスタッフの直接対話が減少し、コミュニケーション不足や顧客の反応を察知しにくくなるというリスクもあります。
そのため、業務効率化で生まれた余力を、接客やおもてなしの向上に活かす工夫が大切です。
特に、顧客との交流が重要な店舗では、配膳ロボットの導入が逆効果にならないよう注意が必要となります。
配膳ロボットを導入する際には、ホールスタッフの業務を再検討する必要があります。
人手が余る業務、人手が足りない業務のバランスがとれていない状態では、配膳ロボットを導入しても業務効率が悪くなってしまう可能性があるからです。
それに加え、ロボットの役割や使用タイミングを明確にし、スタッフに共有することも必要になります。
また、導入時には初期設定、操作説明、運用方法の確認が必要です。
メーカーが設定や操作説明をサポートしてくれることもありますので、初回導入時は積極的に活用するのが望ましいです。
さらに、ロボットがスムーズに動けるように店内のネット環境を整備し、必要に応じて客席や設備の配置を見直すことも求められます。
導入前にシミュレーションを行い、効率的なオペレーションが可能か確認しましょう。
静岡県を中心に中華ファミリーレストランを展開する株式会社五味八珍様では、配膳ロボット「BellaBot」を導入し、業務効率の改善を実現し、接客の質を向上させました。
以前は1時間あたり44回行われていた下膳作業が、2回に減少し、その時間を他の業務に活用できるようになりました。
これにより、スタッフの負担が軽減され、接客に充てることのできる時間が増加しました。
配膳ロボットはその可愛さから特に子どもたちに人気があり、スタッフ間の交流も増え、お客様とのコミュニケーションを深めることができています。
今後はさらなる「おもてなし」の強化とともに、ロボットとの共存を目指し、導入数を増やす見込みです。
(事例紹介:
導入事例|株式会社五味八珍 様)
すかいらーくグループ様では、2021年から「ネコ型配膳ロボット」を導入し、2022年には全国2100店舗で3000台を展開しました。
店長経験者を中心に組織されたインストラクターチームにより、動線の調整など細やかな対応を行ったことで迅速に導入されました。
導入を迅速に進めた背景には、業績回復の必要性がありました。
ロボットの導入により、ガストではランチピーク回転率が7.5%向上、片付け時間が35%削減、歩行数も42%削減されるなど、従業員の歩行数削減や片付け時間の短縮といった成果が見られています。
その他にも、店舗スタッフが他の業務に集中できるようになり、ドリンクバーやトイレの清掃などにかける時間が増えるなど、顧客へのサービスの質も向上しました。
店舗側からは歓迎の声が多く、SNSでの認知度も上昇。すかいらーくにとって、配膳ロボットは欠かせない存在となり、今後もデジタル化とロボットの活用を通じて効率的な店舗運営を目指す方針です。
(参考:
すかいらーく「ネコ型配膳ロボ」3000台導入を成功させた「特命チーム」に迫る | Business Insider Japan)
配膳ロボットは、飲食店やホテル、病院などで自律的に料理や飲み物を運ぶロボットで、業務効率化とサービス向上に貢献します。
少子高齢化や人手不足の解消、感染症対策としても注目されています。
特徴として、ロボットは非接触で自動配膳を行い、30〜50kgの荷物も運べ、大皿料理や食器の大量運搬が可能です。
障害物回避や自律走行技術により安全に移動し、複数ロボットが連携して効率的な運用ができます。
また、簡単な音声案内や表情表示で顧客との対話も可能です。
配膳ロボット導入が注目される理由は、人員削減や生産性向上、エンターテインメント性の向上などが挙げられます。
特に人手不足解消に役立ち、スタッフは接客や業務に集中できるようになります。
ロボット導入により、店内での効率的な運営や顧客満足度の向上が期待できます。
しかし、高額な導入コストや店内環境の整備が必要で、顧客とのコミュニケーションの減少やオペレーション変更の手間もデメリットとして挙げられます。
実際の導入例では、すかいらーくグループ様が「ネコ型配膳ロボット」を全国に導入し、回転率や片付け時間を改善しました。
また、五味八珍様でも「BellaBot」の導入によりスタッフの負担が軽減され、接客の質が向上しました。
省人化・省力化をサポートする配膳ロボットの導入は、飲食店やホテルなどでの業務効率化を実現することが可能です。
近年、様々な業界において人手不足が深刻な問題となっており、物価高騰によってコストの削減も重要な課題となっており、このようなロボットを導入は、省人化とコスト削減という両方の問題を解決する1つの手段になりえます。
静岡産業社では、お客様へ最適なご提案をする営業チームと、機械・設備支援サービスを行う、機械専門チームを設けており、今回の記事で紹介した配膳ロボットをはじめ、様々な機械のご提案が可能です。
お客様の要望に合わせ、最適なご提案をさせていただくとともに、導入後の修理やメンテナンスなど、アフターフォローも対応させていただきます。
導入をご検討の際は、お気軽にご相談ください。