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野菜包装機(袋詰め機)とは?導入前の選定やポイントを解説

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野菜包装機(袋詰め機)とは?導入前の選定やポイントを解説
野菜の生産や流通に携わる皆様にとって、「袋詰め」や「パッキング」の作業は、避けては通れない、かつ非常に労力のかかる工程ではないでしょうか。

近年、農業現場の人手不足や資材高騰が深刻化する中で、注目を集めているのが「野菜包装機」の導入です。しかし、「機械は高価そう」「自分たちの規模に合うのか」「使いこなせるか不安」といった声も少なくありません。

本記事では、野菜包装機の基本から、導入によって得られるメリット、選び方のポイントまで、専門知識がない方にもわかりやすく解説します。





1. 野菜包装機は鮮度を閉じ込めるタイムカプセル

野菜包装機とは、収穫されたばかりの野菜を、最適な状態で包み込むための装置です。しかし、その役割は「包む」ことだけではありません。

野菜は、収穫された後も私たちと同じように「呼吸」をしています。酸素を取り込み、二酸化炭素を出し、水分を放出します。 もし、普通のビニール袋に密閉してしまったらどうなるでしょうか? 野菜は自分の呼吸で酸欠になり、ムレて腐ってしまいます。逆に、袋に入れなければ、すぐにしなびてしまいます。

野菜包装機は、野菜ごとに異なる「呼吸のペース」に合わせて、最適な湿度と空気の状態を作り出し、いわば**「眠った状態(冬眠に近い状態)」**にして、鮮度をキープしたまま家庭まで届ける役割を担っているのです。




2. 野菜包装機が求められる時代背景

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現在、日本の農業・食品流通業界は、過去に類を見ない転換期にあります。これまでは「安価な労働力」に頼ってきた袋詰め工程が、立ち行かなくなっているのです。


労働市場の変化と「自動化」への移行

最低賃金の上昇と、季節労働者の確保難は、経営を圧迫する最大の要因です。野菜包装機は、単なる「便利な道具」ではなく、人間が確保できないリスクを回避するための**「経営のインフラ」**へと役割を変えています。



消費者の意識変化:プラスチック削減と鮮度の両立

SDGsの観点からプラスチック削減が求められる一方で、野菜の廃棄(フードロス)削減も至上命題です。最新の包装機は、より薄いフィルムや、環境配慮型素材への対応、さらには「鮮度を長持ちさせることで廃棄を減らす」という付加価値を提供しています。




3. 野菜包装機を導入する5つの決定的メリット

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1.労働生産性の劇的向上(キャパシティの拡大)

手作業での袋詰めは、1人あたり1時間で200〜300袋が限界と言われます。これに対し、自動機は1時間で2,000〜3,600袋の処理が可能です。

メリット

これまで「収穫量は多いが袋詰めが間に合わないから出荷を制限していた」という機会損失をなくし、作付面積の拡大=売上最大化を可能にします。



2.原価管理の適正化(歩留まりと資材コスト)

ギブアウェイ(入れすぎ)の防止

自動計量機と連動させることで、1袋あたりの重量誤差を最小限に抑えます。例えば、1袋につき5gの「入れすぎ」を1日3,000袋分積み重ねると、年間で数トンもの損失になります。これを防ぐだけで機械代を回収できる場合があります。


製袋コスト

既製品の袋(1枚4〜7円)から、ロールフィルムによる自動製袋(1枚2〜3円)へ切り替えることで、資材費を50%以上削減できるケースが多々あります。



3.圧倒的な清潔さ(衛生的メリット)

手作業での袋詰めは、どうしても「人の手」が何度も野菜に触れます。機械を導入することで、収穫からパッキング、そして出荷まで、人の手が触れる回数を最小限に抑えることができます。 特に最近では、衛生管理の国際基準である「HACCP(ハサップ)」への対応が進んでおり、機械化は「目に見える安心」の証となっているのです。



4.「当たり」も「外れ」もない、均一な品質

「この袋は量が多いけど、あっちの袋はスカスカ……」といった経験はありませんか? 最新の包装機は、高性能なセンサーと計量器が連動しています。1グラム単位で重さを調節し、袋の中の野菜の数も正確にコントロールします。誰が買っても、いつ買っても同じ品質であること。これは、消費者にとっての公平さと信頼につながります。



5.野菜が長持ちする(フードロスの削減)

包装機によって「呼吸をコントロール」された野菜は、家庭の冷蔵庫に入れてからの「持ち」が格段に違います。 「買ったはいいけど、すぐにしなびて捨ててしまった」という家庭でのフードロスを減らすことは、家計を助けるだけでなく、地球環境を守ることにも直結しています。




4. 野菜包装機を導入するとどうなる?

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労働環境の「劇的変化」

ビフォー

収穫期のピーク時は、夜中まで家族やパートさんが総出で、腰を丸めて袋詰め作業。腱鞘炎や腰痛に悩まされ、翌朝の収穫に影響が出ることも。


アフター

機械のスイッチを入れれば、数人分の作業をあっという間に完了。スタッフは「詰める作業」から解放され、より重要な「選別(品質チェック)」や「次の作付けの計画」に時間を使えるようになります。



経営の「数字の変化」

多くの検討者が驚くのが、**「袋代の節約」**です。 通常、既に袋の形になっている「既製袋」を買うと高くつきますが、機械でロール状のフィルムからその場で袋を作るように変えるだけで、資材コストを半分以下に抑えられるケースがあります。 「年間100万円単位で資材費が浮いた」という話は、決して珍しくありません。



取引先(バイヤー)からの評価

スーパーのバイヤーは、安定供給を何よりも重視します。 「うちは包装機を導入しているので、急な大量注文にも対応できますし、鮮度保持技術も万全です」という一言は、他の生産者との大きな差別化になり、取引の決め手となります。




5. 包装機の種類と野菜のタイプ
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「野菜」は形もサイズも千差万別です。すべての野菜に万能な機械は存在しません。


縦ピロー包装機

ジャガイモ、玉ねぎ、ピーマンなど。上からポイポイと投入して、下で袋にするタイプです。スピードが速く、力強いのが特徴です。


特徴

設置面積が比較的小さく、計量機との連動が容易です。



横ピロー包装機

野菜をベルトコンベアに乗せて水平に移動させながら、フィルムで包み込むタイプです。ホウレンソウ、小松菜、アスパラガスなど。コンベアに寝かせて、優しくフィルムで包みます。野菜に無理な力がかからないので、デリケートな葉先も傷めません。


特徴

野菜に衝撃を与えず、長い物や傷つきやすい葉物もきれいに包装できます。



伸縮包装(ストレッチ包装)

トレーに載った野菜を伸縮性のあるフィルムで覆うタイプです。キノコ類やカット野菜。ピタッとフィルムを張ることで、中身がキラキラと美味しそうに見えます


特徴

中身がしっかりと固定され、高級感を演出できます。



結束機

粘着テープやゴムを用いて、ネギやニラを束ねる機械です。長ネギやニラなど。袋に入れず、専用のテープやゴムでパッと束ねます。資材を最小限に抑えたい時に有効です。




6. 導入検討時に注意すべき「3つのハードル」と対策


① 品種切り替えのダウンタイム

「午前中はピーマン、午後は人参」といった多品種生産の場合、フィルムの交換や設定変更に時間がかかると、作業効率が落ちます。


対策

設定を「レシピ」として保存できるタッチパネル式の機械を選ぶことが重要です。



② メンテナンスと清掃(サニタリー性)

野菜の泥や水分は、機械の腐食やセンサーの誤作動を招きます。


対策

「IP65」などの防水規格に対応しているか、主要パーツが工具なしで取り外せる「イージーメンテナンス構造」かを確認しましょう。



③ 資材(フィルム)との相性

フィルムの厚みや材質によっては、シールがうまくつかなかったり(熱接着不良)、静電気で野菜が袋に張り付いたりします。


対策

導入前に必ずサンプル野菜と、予定しているフィルムを使っての「実機テスト」を行うことが不可欠です。




7. 導入失敗しないための5ステップ

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現状分析

1日あたりの平均包装数、ピーク時の必要数、現在かかっている人件費を算出する。


目的の明確化

「人手不足解消」なのか「鮮度保持による付加価値向上」なのか、優先順位を決める。


ライン構成の検討

単体機でいいのか、前後の工程(洗浄機・計量機・金属検出器・ラベル貼付機)との連結が必要かを検討する。


スペースとインフラ

工場の床耐荷重、扉の有効幅(搬入可能か)、電源容量を確認する。


アフターサポート

故障時に「最短何時間で駆けつけてくれるか」という保守契約の内容を確認する。




8. まとめ

野菜の生産や流通に携わっている方にとって、包装機の導入は単なる作業効率化にとどまりません。人手不足が解消されにくい今、機械に任せられる作業は機械に任せ、人は品質の最終チェックや改善といった、より価値の高い仕事に集中する。その役割分担こそが、これからの農業・流通現場に求められています。

「うちは小規模だから」「まだ導入は早い」と感じる前に、まずは現在の作業時間やコストを一度見直してみてください。驚くほど多くのリソースが「袋詰め」に費やされていることに気づくはずです。

その負担を軽くし、現場に余裕を生み出す選択肢の一つが、野菜包装機なのです。




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