1. HOME
  2. シズサンのプラスワン
  3. 最新記事一覧
  4. 賞味期限を延長する包装・フィルムの選び方!販路拡大と食品ロス削減の秘訣

賞味期限を延長する包装・フィルムの選び方!販路拡大と食品ロス削減の秘訣

公開日時 : 
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
賞味期限を延長する包装・フィルムの選び方!販路拡大と食品ロス削減の秘訣
「自社商品の賞味期限が3日しかなく、県外への出荷ができない…」
「無添加にこだわった焼き菓子を作ったが、すぐに酸化して風味が落ちてしまう…」
「物流の2024年問題以降、配送リードタイムが延びてしまい、納品期限(1/3ルールなど)に間に合わない…」

食品製造業や飲食店を営む皆様、このような切実な課題に直面していませんか?

保存料を大量に添加して味を落とす前に、見直すべきは「包装(フィルム)」です。実は、フィルムの材質や包装技法(真空・ガス置換など)を最適化するだけで、賞味期限を「数日」から「数週間〜数ヶ月」へと劇的に延長できる可能性があるのです。

本記事では、食品包装・厨房機器の総合商社である私たちが、酸素透過度の数値から、ハイバリアフィルムの具体的な材質選び、真空・MAP包装の使い分けまで徹底解説します。







1. 賞味期限延長が食品事業者にもたらす3つの経営メリット


包装を見直すコスト(1枚数円〜数十円のアップ)を投資と捉えるべき理由を、具体的な数字と状況を交えて解説します。


① 販路の飛躍的な拡大(物流課題のクリア)

例えば、消費期限が「製造日を含め4日」の生菓子の場合、製造翌日に出荷しても、店頭に並ぶ頃には残り2日しかありません。これでは遠方への配送は不可能です。

しかし、適切なバリア包装と脱酸素剤を組み合わせることで賞味期限を「14日」に延長できれば、静岡から北海道や沖縄への出荷はもちろん、配送遅延リスクを抱える自社ECサイト(常温・冷蔵便)での全国展開も容易になります。



② 食品ロス(廃棄コスト)と返品の削減


スーパーや百貨店などの小売店には「納品期限(賞味期限の1/3まで等)」という厳しいルールがあります。賞味期限が短いと、納品すらできずに自社で廃棄(ロス)する羽目になります。

包装によって期限を2倍に延ばすだけで、店頭での販売期間(陳列寿命)が延び、夕方の見切り品(半額シール)による利益率低下や、大量廃棄を防ぐことができます。



③ 計画生産による「人件費・残業代」の削減

賞味期限が短い商品を毎日100個作る(小ロット多頻度生産)のと、賞味期限が30日ある商品を週に1回700個作る(計画生産)のでは、製造ラインの清掃・立ち上げにかかる時間や従業員の残業代に雲泥の差が出ます。

人手不足が深刻な現在、包装による日持ち向上は、最も効果的な「働き方改革」の打ち手です。




2. なぜ「透明な袋」ではダメなのか?

AdobeStock_1785894502.webp

「きちんと透明な袋に入れてシーラーで密閉しているのに、なぜカビが生えたり酸化するのか?」と疑問に思う方は多いでしょう。その原因はフィルムの「目に見えない穴」にあります。


一般的なポリ袋(LDPE/OPP)の限界

スーパーのサッカー台にあるようなポリ袋(ポリエチレン:PE)や、透明度の高いOPP袋は、人間の目には水や空気を遮断しているように見えます。しかし、包装科学の指標である「酸素透過度(OTR:24時間で1平方メートルあたりに通過する酸素の量)」で見ると、一般的なPEフィルムは数千ccもの酸素を通しています。つまり、ミクロの世界では「常にすきま風が吹いている状態」なのです。



バリアフィルムによる外部要因の完全遮断

賞味期限を延長するには、この酸素透過度(OTR)と水蒸気透過度(WVTR)が極めて低い素材を選ぶ必要があります。

例えば、高機能なバリア素材である「EVOH(エチレン・ビニルアルコール共重合樹脂)」や「PVDC(ポリ塩化ビニリデン)」、あるいは「アルミ蒸着・シリカ蒸着」を施したフィルムを使用すると、酸素透過度を「数千cc」から「1cc以下」へと、劇的に(ほぼゼロに)抑え込むことが可能です。




3. 賞味期限を延ばす!具体的な包装技術とフィルム材質



自社の商品特性に合わせて、以下の技術とフィルム材質(構成)を使い分けます。


① ハイバリアフィルム × 脱酸素剤(無酸素包装)

フィルム内に「脱酸素剤(エージレス等)」を入れ、内部の酸素濃度を0.1%以下にして密封します。これにより、好気性バクテリアやカビの繁殖、油脂の酸化を完全にストップさせます。

具体的な材質

K-NY/PE(塩化ビニリデンコートナイロン/ポリエチレン)、アルミ蒸着PET/CPPなど。

事例・用途

マドレーヌやパウンドケーキ(賞味期限7日→30日以上へ延長可能)、ナッツ類、半生菓子。



② 真空包装(ナイロンポリ)

専用の真空包装機で空気を物理的に吸引し、フィルムを食品に密着させます。酸素を抜くだけでなく、水分の蒸発を防ぐため、冷凍保存時の「冷凍焼け(表面の乾燥やパサつき)」も防ぎます。

具体的な材質例: ONy/PE(二軸延伸ナイロン/ポリエチレン)

ナイロン層がピンホール(突刺し)に対する強度を持ち、PE層が熱接着(シール)を担います。

事例・用途

ローストビーフ、ハンバーグ、切り身魚、漬物など。



③ ガス置換包装(MAP包装)

真空包装のように食品を押し潰して変形させないよう、空気を抜いた後に特定のガスを充填します。

具体的なガス比率の例

精肉の場合は「酸素80%:炭酸ガス20%」(鮮やかな赤色を保つため)。惣菜やカット野菜の場合は「窒素ガス100%」または「窒素+炭酸ガスの混合」(酸化と菌の増殖を防ぐため)。

事例・用途

ふんわりさせたいカット野菜、スライス肉、ポテトチップス、生パスタ。



④ スキンパック包装(次世代真空包装)

特殊な高バリアフィルムを熱で柔らかくし、トレイ上の食品に「皮膚(スキン)」のように隙間なくピタッと密着させます。ドリップ(肉汁)の流出を極限まで抑え、見栄えも美しいため、単価の高い商品に最適です。

事例・用途

高級和牛ステーキ肉、鮮魚(賞味期限が従来のラップ包装の数倍に延長されるケースも多数)。




4. 失敗しないための「フィルム選定4つのチェックポイント」

ben2.webp

「一番バリア性が高くて分厚いフィルム」を選べば良いわけではありません。コストの無駄遣いや、思わぬ事故を防ぐための選定基準を公開します。


ピンホール(穴開き)対策は必要か?

骨付き肉、カニの爪、角のある乾麺などを真空包装する場合、輸送時の振動でフィルムに小さな穴(ピンホール)が開くと、そこから空気が入り腐敗に繋がります。この場合は、通常のナイロンポリより厚手、または突刺し強度に優れた「強靭タイプ(共押出しフィルムなど)」を選ぶ必要があります。



ボイル(湯煎)・レトルト(高温高圧)殺菌を行うか?

包装した後に90℃で30分ボイルするのか、120℃でレトルト殺菌するのかによって、耐熱温度が変わります。耐熱性のないフィルムを加熱すると、シール部分が破袋(パンク)したり、フィルムが縮んでしまいます。(※レトルトにはPET/AL/CPPなどの構成が必須です)。



油分の多さ(耐油性)

揚げ物やカレールーなど油分の多い食品を包装する場合、ポリエチレン(PE)系のシール材は油に侵食されてシール不良を起こすリスクがあります。耐油性のある素材を選定する必要があります。



内容物の「呼吸」を計算しているか?(青果物の場合)

野菜や果物は収穫後も「呼吸」をしています。これらを完全なバリアフィルムで密封すると、内部が酸欠状態になり異臭(嫌気呼吸)が発生します。青果物には、あえて適度な通気性を持たせた「防曇(ぼうどん)フィルム・微孔フィルム」を使用します。




5. まとめ

賞味期限の短さは、味や品質そのものではなく「包装設計」に起因している場合が少なくありません。フィルムの材質やバリア性能、真空・ガス置換(MAP)などを適切に組み合わせることで、保存料に頼らずとも日持ちは大きく改善できます。

これにより、遠方への販路拡大、食品ロスや返品の削減、計画生産による人件費の抑制など、経営面にも直接的なメリットが生まれます。重要なのは、最も高性能で高価な資材を選ぶことではなく、自社商品の特性(水分量・油分・形状・加熱工程・流通条件など)に合った包装を設計することです。

賞味期限に悩んでいる場合、まず見直すべきは製法ではなく包装です。品質や味を守ったまま日持ちを延ばし、事業の可能性を広げるための、最も現実的で効果的な一手と言えるでしょう。




商品のロングライフ化なら静岡産業者にお任せください!

包装資材・厨房機器の総合商社である静岡産業社が、お客様の課題を直接ヒアリングし、最適な包装テストをご提案いたします。

「無駄なオーバースペックにならない、コストに見合ったバリアフィルムの選定」
「実際に自社の食品を真空・ガス置換した場合のテスト包装(要相談)」
「初期導入費用を抑えた、小型真空包装機のご提案」

まずは現状の「お悩み」と「どんな食品を扱っているか」をお気軽にお聞かせください。プロの視点で、コスト削減と販路拡大に直結するご提案をいたします!
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

資料ダウンロード・お問い合わせ

資料ダウンロード一覧

会社案内、パンフレット、お役立ち資料などをダウンロードいただけます。