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テイクアウト・デリバリーに最適な「環境に優しい容器」とは

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テイクアウト・デリバリーに最適な「環境に優しい容器」とは

カフェやレストランをはじめ、キッチンカーや宅配サービスなど、テイクアウト・デリバリーが日常となった今、私たちの手元には大量の使い捨て容器が残るようになりました。ここ数年では「エコ容器」というキーワードにも注目が集まっています。

この背景には、地球温暖化への関心の高まりがあり、特にプラスチックごみによる海洋汚染や地球温暖化の問題は年々深刻化しています。


「環境に配慮したいけれど、利便性やコストも気になる…」

この記事では、そんな悩む飲食店経営者や消費者の皆様に向けて、地球に優しく、魅力を高める環境に優しい「エコなテイクアウト容器」の選び方と、知っておくべき素材の特性を解説します。






なぜ今、エコ容器が選ばれるのか?

地球環境の持続可能性が問われる中、石油由来のプラスチック容器の使用は、以下の問題を引き起こしています。


地球温暖化

近年、日本では台風の大型化・強大化が目立っています。その主な原因とされているのが「地球温暖化」です。地球温暖化は、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの増加によって引き起こされているとされています。

1880年から2012年の間に、地球の平均気温は約0.85℃上昇したと報告されています。さらに、このまま二酸化炭素の排出が続けば、今世紀末には最大で約4.8℃も上昇すると予測されており、気候変動の深刻化が懸念されています。



ごみ問題・資源問題

2020年3月のデータによると、2018年度の日本のごみ総排出量は年間4,272万トン。東京ドーム約115杯分に相当します。この数値は一般廃棄物のみであり、産業廃棄物を含めるとさらに増加します。

ごみはリサイクル可能なものと不可能なものに分けられ、リサイクルされないごみは最終処分場で埋め立てられます。そのうち年間約400万トンは焼却処分後に埋め立てられています。

日本は国土が狭く、処分場の確保が難しいため、焼却によってごみの体積を減らし、処分場の寿命を延ばす対策が取られています。しかし、焼却が主流であることから、二酸化炭素の排出や最終処分場の確保が深刻な課題となっています。



海洋プラスチック問題

海洋プラスチック問題は、地球規模で深刻な環境問題となっています。世界中で毎年約800万トンものプラスチックごみが海に流れ込み、海洋生物の生態系や環境に大きな影響を与えています。プラスチックは分解に数百年かかり、微細化して「マイクロプラスチック」となることで、長期的な悪影響が懸念されています。

この問題は、漁業や観光業に経済的な影響を与えるだけでなく、沿岸部の住民の生活環境にも悪影響を及ぼします。また、SDGs(持続可能な開発目標)の14番目の目標「海の豊かさを守ろう」にも関わる課題として、国際的な取り組みが進められています。

具体的には、プラスチックが海洋生物に誤って摂取され、食物連鎖に入り込むことが問題視されています。さらに、有害物質を含むことの多いマイクロプラスチックは、海洋生物や人間の健康にも影響を及ぼす可能性があり、早急な対応が求められています。


エコ容器は、これらの問題の解決に貢献する「脱プラスチック」の切り札として、注目されています。




テイクアウト容器の主要なエコ素材

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環境に配慮した容器の多くは、植物由来の資源やリサイクル可能な素材で作られています。素材ごとの特徴を知ることが、失敗しない容器選びの第一歩です。


(1) バガス:使い勝手抜群の「サトウキビの搾りかす」

バガスは、サトウキビから砂糖を精製した後に残る繊維質の残渣(ざんさ)を原料としています。本来廃棄されるはずの資源を有効活用しているため、環境負荷が非常に低いのが魅力です。

  特徴 詳細
  高機能性 耐熱性に優れ、電子レンジ対応可の製品が多い!温かいお弁当やデリバリーに最適です。
  環境メリット 非木材パルプなので森林資源を消費しません。土に還る生分解性を持ちます。
  見た目 自然なオフホワイトの質感は、ナチュラルでおしゃれなカフェメニューと相性抜群です。



(2) PLA(ポリ乳酸):透明で美しい「植物由来プラスチック」

PLAは、トウモロコシやサトウキビのデンプンなどを原料として作られるプラスチックです。石油由来プラスチックの代替として期待されています。

  特徴 詳細
  環境メリット 植物由来のため、化石燃料の使用を減らし、CO2排出量削減に貢献。生分解性があります。
  見た目 透明度が高く、光沢があるため、サラダやカットフルーツなど中身を見せたいメニューに最適です。
  注意点 熱に弱い(約60℃で変形)ため、冷たい食品専用です。熱いコーヒーや電子レンジでの使用はできません。



FSC認証紙

近年、環境負荷の少ない素材として紙製の容器が注目を集めています。しかし、紙素材の需要が高まりすぎると、逆に森林破壊の原因になってしまう可能性もあります。

そこで登場したのが「FSC認証」という仕組みです。FSC(Forest Stewardship Council®:森林管理協議会)の基準に基づき、適切に管理された森林から生産された木材を使用していることを証明する制度です。

FSC認証マークの付いた紙容器を選ぶことで、プラスチックごみの削減だけでなく、森林の保全にも貢献できます。最近では、紙袋や紙パック飲料、ストローなど、身近な製品でもこのマークを目にする機会が増えています。




エコ容器の種類



パルプモールド(バガス)容器

パルプモールドは、古紙などの木材パルプを原料として作られる環境配慮型の容器です。再生紙や竹、ユーカリなどのパルプを型で成形しており、クッション性が高く、自然な素材感が魅力です。

また、パルプモールドの中でもサトウキビの搾りかす(非可食部)であるバガスを原料としたものは、「バガス容器」と呼ばれます。非木材資源を活用することで、森林資源の保全にもつながります。

さらに、耐水・耐油加工が施されているため、汁気のある料理や揚げ物にも使用可能です。環境への配慮と実用性を両立した、次世代の容器として注目されています。



紙容器

紙を主原料として使用した食品トレーです。使用したあともリサイクルが可能なため、環境にやさしいトレーとして需要が高まっています。

紙でできている性質上、耐水性や耐油性のない商品もありますが、植物由来の樹脂を原料としたバイオポリエチレンをラミネートすることで耐久性を高めた製品もあります。



バイオマスプラスチック容器

原料に再生可能な有機物質源を含んだプラスチックを使用した素材で、その素材で作られた容器をバイオマスプラスチック容器と言います。

再生可能な有機資源とは、森林から得られる木材や作物などの植物資源などを指し、 これらをバイオマス素材と言います。

石油資源の代わりにバイオマス素材を使用することで、製造時の石油使用量を減らせるため、CO2排出削減効果があると言われています。



PLA(生分解性プラスチック)容器

バイオマス由来ポリ乳酸を配合したプラスチックで、サトウキビなどの植物や、植物から抽出されるデンプンなどが原料となっています。

最大の特徴は、従来のプラスチックと同等の性質、機能性を持ちながら、土や海などに存在する微生物の働きによって、最終的に水と二酸化炭素に分解されることです。

使用する環境さえ適切であればゴミとして排出されることがないため、近年では使用後の分解性や今後の展望が期待されています。




エコ容器のリアルなメリット・デメリット

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エコ容器の導入は、環境への優しさだけではありません。お店の経営にも影響する「リアル」な側面を見てみましょう。


メリット

お店の魅力が格段にアップ

イメージアップと顧客獲得:環境意識の高い「エシカル消費者」からの評価が高まり、お店のファンが増えます。SDGsへの取り組みを分かりやすくアピールできます。


実用性の向上

バガスなどの高機能素材は断熱性にも優れており、お客様が熱い料理を持っても安心で、火傷のリスクを減らせます。


未来への先行投資

将来的なプラスチック規制強化に備えることができます。



デメリット

コスト増

一般的にプラスチック容器よりも単価が高くなります。導入の際はメニュー価格への反映やコスト削減策の検討が必要です。


性能の制約

素材によっては、長時間液体に触れると紙がふやけたり、強度がプラスチックに劣る場合があります。


廃棄の複雑さ

「生分解性」=「家庭で簡単に分解」ではありません。多くの場合は「可燃ごみ」として処理されます。お客様に誤解を与えないよう、正確な分別方法を伝える工夫が必要です。




まとめ

テイクアウト容器をエコなものに切り替えることは、単なるトレンドではありません。それは、お店が環境問題に対して真摯に向き合っているというメッセージであり、未来の地球、そしてお客様への思いやりを示す行動です。

コストや機能性の課題はありますが、バガスやFSC認証紙など、実用性と環境配慮を両立した素材は続々と登場しています。

ぜひ、あなたの素晴らしい料理に見合った、地球にも優しい容器を選び、「食べる喜び」と「環境貢献」の両方を実現してください!




環境問題に取り組んでみませんか?

日本だけでなく、全世界で環境問題への関心が高まっており、企業は環境問題への取り組みを行う必要があると言えます。このような環境配慮型容器の使用は、食品業界の企業においては環境問題への取り組みの第一歩として、比較的取り組みやすい対策の一例です。

静岡産業社では、包装資材専門のチームを設けており、様々な環境配慮型容器を取り扱っています。また、SDGsの実現に向け、環境問題へも積極的に取り組んでいます。環境に配慮した商品は容器だけでなく、備品やその他の副資材にも多くありますので、お客様のニーズに沿ったご提案をさせていただきます。

環境配慮型容器を導入する際は、お気軽にご相談ください。
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