1. HOME
  2. シズサンのプラスワン
  3. 最新記事一覧
  4. なぜ食品表示が必要なのか?その役割と表示項目について解説

なぜ食品表示が必要なのか?その役割と表示項目について解説

公開日時 : 
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
なぜ食品表示が必要なのか?その役割と表示項目について解説
日々の食事で目にする食品表示。実は、私たちの健康や安全を守るために大切な役割を果たしています。栄養成分やアレルギー情報、消費期限など、食品表示には消費者が知っておくべき情報が詰まっています。

本記事では、なぜ食品表示が必要なのか、その役割や表示項目について詳しく解説します。






食品表示とは

食品表示は、食品表示法に基づき、加工食品や容器包装された食品に義務付けられている表示で、消費者が安全かつ適切に食品を選択するための重要な情報を提供します。これにより、消費者は食品の産地や成分、保存方法を確認し、食の安全やアレルギー対策、食品ロスの削減に役立てることができます。

「食品表示」にはそれ以外の名称として、「一括表示」や「食品ラベル」、「食品表示ラベル」、「裏書き」、「裏貼り」、「裏ラベル」など、パッケージの表示場所や方法に応じてさまざまな呼び方がありますが、いずれも同じ意味を持っています。




なぜ食品表示法は生まれた?

食品表示法が生まれた背景には、以前の法律がそれぞれ異なる目的で表示ルールを定めていたことに起因しています。

以前は食品衛生法、JAS法、健康増進法の3つが法律があり、食品衛生法は衛生上の危害防止を目的として、JAS法は品質に関する情報提供を主眼にして、健康増進法は国民の健康の向上を目的としていました。しかし、それぞれの法律が異なる観点から表示ルールを定めていたため、表示項目の統一性が欠け、結果として表示が複雑化し、消費者にとっても事業者にとっても理解しづらい状況が生まれました。

これらの問題を解決するために、食品表示法が制定されました。この法律の目的は、消費者が食品を選ぶ際に安全性を確保し、合理的かつ自主的に商品を選択できるようにすることです。食品表示法は、これまで別々の法律で定められていた表示内容を整理し、一本化することによって、消費者と事業者の双方にとって分かりやすく、統一されたルールを提供することを目指しています。

2015年4月1日に施行された食品表示法では、すべての食品に食品表示が義務付けられることとなり、表示ルールが一元化されました。これにより、消費者は食品の原材料や保存方法、賞味期限などの情報を明確に把握できるようになり、より安全に商品を選ぶことができるようになりました。




食品表示が必要な理由

hyouzi1.webp

食品表示が必要な理由は、消費者が食品を購入する際に、商品の詳細情報を簡単に把握できるようにするためです。

昔は、食品は対面販売が中心で、消費者は販売員に「どんな原料を使用しているのか」、「保存方法はどうすべきか」、「賞味期限はいつまでか」などを直接確認することができました。しかし、現代では流通と包装技術が発展したため、食品は多くの場合、パッケージされた状態で全国規模で販売されるようになりました。

そのため、消費者は店頭で販売員に質問することができません。スーパーやコンビニの店員は、各商品の詳細な情報、例えば原材料、保存方法、賞味期限、製造地など—を把握していないため、消費者がその場で直接確認することが難しいのです。そこで、食品表示が必要となります。

食品表示は、消費者が商品を選ぶ際に必要な情報を提供するための重要な手段です。消費者は表示された情報を基に、商品の品質や成分、保存方法、賞味期限などを確認し、安全かつ納得した上で商品を購入することができます。特に、アレルギーを持っている人々にとって、食品表示にはアレルゲン情報が含まれており、これが命に関わる場合もあるため、非常に重要です。

さらに、食品表示は消費者の権利を守るだけでなく、製造業者にも責任を持たせる役割を果たしています。適切な食品表示が行われることで、消費者が誤って危険な食品を購入するリスクを減らし、安心して消費生活を送ることができます。

このように、食品表示は消費者が正しい情報に基づいて食品を選択し、健康や安全を守るために不可欠なものとなっています。食品業界では、法的にこの表示が義務化されており、正確で詳細な表示を行うことが求められています。




表示義務のある食品と主な表示項目

私たちが店舗で購入できる食品は、大きく「生鮮食品」と「加工食品」に分けられ、それぞれ表示方法が異なります。特に、容器包装を使用した加工食品には表示が義務付けられており、スーパーマーケットやコンビニなどで販売されているパッケージ包装の商品や惣菜、お弁当などには、必ず食品表示が必要です。

食品表示は食品の分類によって表示するべき項目が異なります。生鮮食品、米、加工食品の基本の表示事項は下記の通りです。



生鮮食品(2項目)

hyouzi2.webp

生鮮食品とは、野菜や果物、肉、魚、卵など、加工されていない食品のことを指し、野菜、果物、肉、魚、卵などが挙げられます。

生鮮食品の表示項目は下記のとおりです。

・名称
・原産地等

種類によっては、上記以外の表示が必要となる場合もあります。



米(5項目)

hyouzi3.webp

お米の表示項目は下記の通りです。

・名称
・原料玄米
・内容量
・調製年月日、精米年月日又は輸入年月日
・食品関連事業者の氏名又は名称、住所及び電話番号



加工食品(9項目)

hyouzi4.webp

加工食品とは、生鮮食品の保存性を高めたり、消化しやすくしたり、調理の手間を省くために手を加えた食品のことです。例えば、生鮮食品の大豆は、みそ、しょう油、納豆、とうふなど、さまざまな形で加工されています。加工食品は見た目だけでは材料や品質を判断しづらいため、食品表示から得られる情報が重要です。

加工食品の表示項目は下記の通りです。

・名称
・保存の方法
・消費期限又は賞味期限
・原材料名
・添加物
・内容量又は固形量及び内容総量
・栄養成分の量及び熱量
・食品関連事業者の氏名又は名称及び住所
・製造所又は加工所の所在地及び製造者又は加工者の氏名又は名称 等

輸入品には原産国名や輸入者名も表示されます。食品によっては、さらに他の表示項目が必要となる場合もあります。



栄養成分表示
食品表示法では、加工食品に栄養成分の表示が義務づけられています。表示しなければならない成分は以下の5つです。

・エネルギー(カロリー)
・タンパク質
・脂質
・炭水化物
・食塩相当量

これまで、食塩量はナトリウム量として表示されていましたが、現在は食塩相当量として表示することが求められています。

また、任意で表示できる成分には、飽和脂肪酸、食物繊維、糖質、コレステロール、ビタミン・ミネラルなどがあり、特に飽和脂肪酸と食物繊維の表示は推奨されています。この表示により、消費者は食品を選ぶ際、栄養バランスを意識しやすくなります。



原産地表示制度
以前の食品表示法では、漬物など一部の加工食品のみが原料の原産地を表示する義務がありました。しかし、2017年9月に改正された食品表示法では、すべての加工食品について、原材料の中で最も多いものの原産地を表示することが義務化されました。これにより、原材料は使用されている量が多い順に記載され、最初に記載された原材料の後に、その原産地がカッコ内で表示されます。

なお、この変更については、食品メーカーなどが準備するための猶予期間が設けられており、平成34年3月31日までは準備期間とされています。



アレルギー表示

hyouzi5.webp

食物アレルギーの増加に伴い、アレルギーによる健康被害を防ぐため、食品にはアレルギー表示が義務付けられています。特に、過去のアレルギー患者の症例から、発生数が多く、重篤な症状を引き起こすことが多い7品目については「特定原材料」として、表示が義務化されています。さらに、特定原材料ほどではないものの、発症数が比較的多く、症状が重篤でない品目については、表示が推奨されています。


表示義務のある8品目
■品目
卵、乳、小麦、落花生、そば、えび、かに、くるみ

■理由
特に発症数、重篤度から勘案して 表示する必要性の高いもの。


表示推奨の20品目
■品目
いくら、キウイフルーツ、くるみ、大豆、カシューナッツ、バナナ、やまいも、もも、りんご、さば、ごま、さけ、いか、鶏肉、ゼラチン、豚肉、オレンジ、牛肉、あわび、マカダミアナッツ

■理由
症例数や重篤な症状を呈する者の数が継続して相当数みられるが、特定原材料に比べると少ないもの。特定原材料とするか否かについては、今後、引き続き調査を行うことが必要なもの。



特別な食品表示

hyouzi6.webp

近年、食品に含まれる特定の成分が健康に良い影響を与えることが明らかになってきています。それに伴い、2015年4月に食品の機能性を表示する新しい制度が導入されました。

食品は大きく分けて「一般食品」と「機能性の表示ができる保健機能食品」の2つに分類されます。保健機能食品はさらに、「特定保健用食品」、「栄養機能食品」、「機能性表示食品」の3つに分けられます。


一般食品
機能性の表示ができない一般的な食品です。「栄養補助食品」、「健康補助食品」、「栄養調整食品」といった表示で販売されている食品は一般食品です。


特定保健用食品(トクホ)
健康の維持増進に役立つことが科学的根拠に基づいて認められ、「コレステロールの吸収を抑える」などの表示が許可されている食品です。表示されている効果や安全性については国が審査を行い、食品ごとに消費者庁長官が許可しています。


栄養機能食品
一日に必要な栄養成分(ビタミン、ミネラルなど)が不足しがちな場合、その補給・補完のために利用できる食品です。すでに科学的根拠が確認された栄養成分を一定の基準量含む食品であれば、特に届出などをしなくても、国が定めた表現によって機能性を表示することができます。


機能性表示食品
事業者の責任において、科学的根拠に基づいた機能性を表示した食品です。販売前に安全性及び機能性の根拠に関する情報などが消費者庁長官へ届け出られたものです。ただし、特定保健用食品とは異なり、消費者庁長官の個別の許可を受けたものではありません。




まとめ

食品表示は、消費者が食品を安全に選択し、健康を守るための重要な情報を提供するものです。食品表示法に基づき、食品には栄養成分、原材料、消費期限、保存方法などが明記されています。これにより、消費者は食品の選択時に必要な情報を簡単に把握でき、アレルギー対策や食品ロスの削減にも役立ちます。

食品表示法が制定された背景には、以前の法律が目的別に異なる表示ルールを定めていたため、表示が複雑で理解しにくかったという問題がありました。食品表示法の施行により、表示項目の統一が図られ、消費者が安全かつ合理的に商品を選べるようになりました。

食品表示の義務は、生鮮食品、米、加工食品などに異なり、特に加工食品には詳細な表示が求められます。表示項目には、栄養成分、原材料名、保存方法、消費期限などが含まれ、アレルギー情報や原産地表示も重要です。特に食物アレルギーの増加に伴い、アレルゲン表示が義務化され、消費者が食品選択時に注意すべき項目として広く認識されています。また、食品の機能性を表示する制度も導入され、消費者が健康維持に役立つ食品を選択できるようになっています。




食品表示ラベルのサポートならお任せください

静岡産業社では、お客様へ最適なご提案をする営業チームと、機械・設備支援サービスを行う、機械専門チームを設けており、食品表示ラベルを作成する機器やサービスなど、お客様の要望に合わせ、最適なご提案をさせていただくとともに、導入後の修理やメンテナンスなど、アフターフォローも対応させていただきます。

また、自社に衛生検査室を設けており、お客様の既存商品や新商品の栄養成分分析なども可能です。

食品表示ラベルについてお困りの際は、お気軽にご相談ください。
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

資料ダウンロード・お問い合わせ

資料ダウンロード一覧

会社案内、パンフレット、お役立ち資料などをダウンロードいただけます。