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冷凍食品の品質を守るパッケージとは?最適な容器の選び方を解説

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冷凍食品の品質を守るパッケージとは?最適な容器の選び方を解説
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目次




冷凍食品に最適な容器とは

近年、利便性や時間短縮が重視される中、長期保存可能で手軽に調理できる冷凍食品の需要が高まっています。特に有名店監修メニューが話題を集め、スーパーやコンビニ、ネット通販での販売が増加しています。こうした冷凍食品の販売に欠かせないのが「冷凍対応食品容器」です。

通常の食品容器では、冷凍環境で破損したり、冷却性能が不足する場合があり、販売用には専用容器が求められます。これにより、商品を安全かつ効率的に消費者へ届けることが可能になります。

「どのような食品容器を選べば良いのか?」
「選ぶ素材とその理由は?」

こうした疑問を持つ方も多いでしょう。冷凍食品向けの包装資材選びでは、以下のポイントを考慮してください。

・耐久性:冷凍環境下でも破損しない素材選定。
・保温性:保冷性:食品の品質を維持する設計。
・利便性:電子レンジ対応や持ち運びのしやすさ。

この記事を読むことで、冷凍食品に最適な容器の種類や素材選びの基準を理解し、課題解決の糸口を見つけることができます。冷凍食品の販売を成功に導く一歩を踏み出しましょう!




冷凍食品市場の拡大背景と対応する容器の重要性

冷凍食品市場は、近年ますます成長しています。その背景には、共働き世帯や高齢者の増加、冷凍技術の進歩、そして新型コロナウイルスによる外出自粛が挙げられます。これにより、手軽で保存性に優れた冷凍食品への需要が急増し、多様化する消費者ニーズに応える新しい商品も次々と登場しています。


冷凍食品市場が成長している理由

社会構造の変化

単身世帯や共働き家庭、高齢者の増加に伴い、調理に時間をかけずに食事を準備できる冷凍食品の需要が高まっています。一人分や少量の調理が多い世帯では、冷凍食品を活用することで食材の無駄を減らし、食品ロスを防ぐことができます。

また、高齢者や外出が難しい人々にとって、長期保存が可能で簡便に調理できる冷凍食品は大きな利便性を提供します。


冷凍技術の進化

急速凍結技術の進歩が、冷凍食品の品質向上を支えています。この技術は、食品を短時間で凍結することで、氷結晶の形成を抑え、細胞膜の破壊を防ぎます。その結果、冷凍食品の味や食感が生鮮品に近い状態で保たれるようになり、「冷凍食品は美味しくない」という従来のイメージを覆しました。

これにより、高品質な冷凍弁当や有名店監修の冷凍食品など、新しいコンセプトの商品が次々と市場に投入されています。


コロナ禍による需要増加

新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛生活では、家庭での食事の需要が増え、冷凍食品の利用が急増しました。外食から中食・内食へのシフトが進む中、冷凍食品は手軽さと保存性を兼ね備えた選択肢として注目されています。さらに、食品ロス削減や安全・安心な食事への関心が高まる中で、冷凍食品市場は持続的な成長を遂げています。




冷凍食品パッケージに求められる容器の機能と素材の選び方

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冷凍食品市場が拡大する中で、パッケージの役割はますます重要になっています。製品の品質保持や安全性の確保、流通時の利便性を支えるため、パッケージには多様な機能が求められます。以下に、それぞれの機能と主な使用素材について詳しく解説します。


冷凍食品パッケージに求められる機能

耐寒性

冷凍食品は冷凍庫内で-18℃から-20℃程度の低温環境で保存されます。このため、パッケージ素材には低温でも割れたり脆くなったりしない耐寒性が必須です。特に、輸送中の衝撃でパッケージが割れると商品に損害が出るため、適切な素材選びが重要です。


耐熱性

電子レンジ対応の冷凍食品では、パッケージを取り外さずにそのまま温めるケースが一般的です。そのため、耐熱性のある素材を使用し、熱に耐える設計が求められます。例えば、ポリプロピレン(PP)は耐熱温度が110℃前後で電子レンジ対応可能です。


密閉性

冷凍食品のパッケージには、外部からの異物や湿気の混入を防ぐ密閉性が必要です。また、密封された状態を保つことで食品の酸化や乾燥を防ぎ、品質や衛生状態を保つ効果があります。密閉性の高いパッケージは、賞味期限の延長や食品ロスの削減にも寄与します。


耐水性

冷凍庫内で発生する霜や氷、水滴にさらされる環境下でも食品を保護するために、パッケージの内外で水を弾く耐水性が不可欠です。解凍時や自然解凍の際に水分がパッケージ内外に影響を及ぼさない設計が必要です。


衝撃耐性

流通や店舗での陳列、さらに消費者が冷凍庫に保管する過程で、冷凍食品は何度も衝撃を受ける可能性があります。このため、パッケージには強度や耐久性が求められます。特に、積載や搬送時の圧力にも耐えられる強度設計が重要です。


印刷適性

冷凍食品のパッケージには、商品名、調理方法、栄養成分などの情報を明確に印刷する必要があります。このため、印刷適性が良く、冷凍・解凍時にインクが剥がれたり滲んだりしない素材が求められます。


軽さ

軽量なパッケージ素材は消費者が持ち運びしやすく、物流コストの削減にもつながります。特に、大量輸送を行う冷凍食品ではパッケージの軽量化が全体コストに大きく影響します。


主な使用素材と特性

PS(ポリスチレン)

特性:透明性、耐水性に優れるが耐熱性は低い(約80℃まで)。
使用例:冷凍食品のトレーやカップなど。


PP(ポリプロピレン)

特性:耐熱性が高く(約110℃まで)、電子レンジ対応可能。軽量で耐久性も良好。
使用例:電子レンジ対応冷凍食品パッケージ。


PSP(発泡ポリスチレン)

特性:軽量で保温性が高いが耐熱性は低い(約80℃まで)。
使用例:一部の冷凍食品トレー。


PET(ポリエチレンテレフタレート)

特性:耐衝撃性が高く、透明性があり幅広い温度範囲に対応可能。
使用例:飲料ボトルや冷凍食品の蓋。


PE(ポリエチレン)

特性:柔軟性があり、密閉性が高い。耐寒性に優れるが耐熱性は低い。
使用例:冷凍食品の袋やフィルム。




冷凍食品用パッケージの進化と紙製容器の活用

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冷凍食品のパッケージには、長年プラスチック製が主流となってきました。1960年代の高度経済成長期に開発されたプラスチック製パッケージは、衛生性や大量生産の利点、コストの安さから急速に普及し、消費者のニーズに応えながら進化を遂げてきました。

しかし、SDGs達成や脱炭素社会への移行を背景に、プラスチックの使用量削減が求められています。 その解決策として注目されているのが、紙を活用したパッケージです。


環境配慮した冷凍対応容器

モールド+フタ材

仕切り付きのモールド容器と紙製のフタ材を組み合わせたパッケージです。紙製のフタ材は部分的に剥がすことで電子レンジ加熱が可能で、モールド容器はそのままお皿として使用できます。ただし、フタ材には密着性を保つため薄いフィルムが使用されています。


クラフトラミトレー

極薄のプラスチック製トレーと紙を複合して作られた容器で、リサイクル可能な点が特長です。食品を食べ終えた後は、内側のプラスチックと外側の紙を簡単に分別でき、それぞれリサイクルへ回せます。環境負荷軽減に貢献する画期的な商品ですが、製造には専用機械が必要です。




冷凍食品パッケージ選びのポイント

以下のポイントを踏まえて、冷凍食品パッケージの選定を行うことで、機能性・利便性・環境配慮のバランスが取れたパッケージを実現できます。


冷凍食品に適した機能性と素材

冷凍保存に適した素材や機能性が求められます。例えば、食品が冷凍庫内で長期間保存されることを考慮し、耐寒性や密封性の高い素材を選ぶことが重要です。これにより、品質を保ちながら、冷凍庫内での乾燥や冷凍焼けを防ぐことができます。



電子レンジ対応可否の検討

冷凍食品によっては、袋ごと電子レンジで加熱可能なものがあります。ターゲットユーザーや使用シーンに応じて、電子レンジ対応素材の選定が必要です。例えば、電子レンジ対応の袋や容器を選ぶことで、調理の手間を省き、消費者の利便性を向上させることができます。


環境に配慮した素材の選択

環境問題への配慮が求められる中、冷凍食品の包装にもエコな選択が必要です。プラスチック使用量を削減し、リサイクル可能な素材やバイオ素材を活用することで、SDGsに貢献できます。また、環境配慮型包装を選ぶことで、企業の社会的責任を果たし、消費者やステークホルダーの支持を得ることができます。




冷凍食品におすすめの容器

中央化学株式会社 CTシリーズ

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中央化学株式会社の「CT」は、ポリプロピレン(PP)にタルクを配合した素材で、耐寒性や耐衝撃性を向上させた「耐寒CT」を使用した容器が特徴です。この容器は耐熱温度130℃、耐寒温度−20℃(静止条件)で、冷凍から電子レンジ加熱まで幅広く対応可能。発泡や延伸がない硬い素材のため、冷凍効率に優れ、トップシール、真空包装、ピロー包装など多様な包装形態に適しています。



株式会社エフピコ 耐寒PPIP-タルク

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株式会社エフピコの「耐寒PPi-タルクシリーズ」は、一般的なPPタルクよりも強度と耐衝撃性が高く、シート厚を薄くすることでプラスチック使用量を従来品と比べて約40%削減した環境配慮型容器です。本体の耐熱温度は130℃で電子レンジ使用も可能、さらにトップシール対応が可能です。また、FTデリプレ角のみ、耐寒性に優れたOPET素材を使用した蓋を採用しており、冷凍環境下でも割れにくく、横からの衝撃にも外れにくい構造になっています。ただし、蓋の耐熱温度は80℃で電子レンジの使用は不可です。




まとめ

冷凍食品のパッケージ選びは、品質保持や安全性、利便性に直結する重要な要素です。特に冷凍環境下での保管や輸送を考慮すると、耐寒性や耐熱性、密閉性などの機能が欠かせません。冷凍食品に適したパッケージ素材を選ぶことは、商品の鮮度を守り、消費者に安心・安全な商品を届けるために不可欠です。

冷凍食品市場の急成長に伴い、消費者ニーズも多様化しています。特に共働き世帯や高齢者層の増加、冷凍技術の進化が背景にあり、冷凍食品は利便性と保存性が求められる選択肢となっています。この市場において、冷凍食品パッケージの選び方は、企業の競争力を高めるための重要な手段です。

例えば、電子レンジ対応の素材や冷凍環境での強度を保つ素材選定は、品質を維持するための必須条件です。また、リサイクル可能な素材や環境負荷の低い素材を使用することが、企業の社会的責任を果たす上でも重要になっています。

これらの要素を踏まえたパッケージ選びは、市場での差別化に繋がり、消費者の信頼を勝ち取るための鍵となります。




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