- 業務用真空包装機とは?
- 真空包装のメリットとデメリット
- 真空包装機の選び方
- おすすめの真空包装機
- まとめ
- 真空包装機を導入するには
食品や食品を載せたトレーなどを包装する際、パッケージ内の空気を抜き、
内部を真空状態にして包装することを真空包装といいます。
この真空包装をするために使用する機械のことを真空包装機といいます。
食品が酸素に触れないようにすることができるため、
食材の鮮度を保つことや、保存期間を延ばす際に使用されます。
真空包装機には業務用と家庭用がありますが、
この記事では業務用真空包装機について解説していきます。
真空包装をすることで、食品の鮮度を長く保つことが可能です。
鮮度を長持ちさせることにより、遠方のお客様へ鮮度の良い状態の商品を提供することができます。
また、真空状態にすることでパッケージ内の酸素を除去し、酸化による食材の劣化や変色、カビなどの発生を抑えることができるため、食品の風味や食感を長持ちさせることが可能です。
真空包装をすることにより、保存期間を延ばすことができます。
事前に仕込みをした食品を真空包装することで、保存期間を延ばし、ストックすることができるため、
作業の時間短縮や人件費の削減など、業務の効率化をすることができます。
食品を高温(60〜95℃)のまま真空パック(ホットパック)を行うことにより、
HACCAPに沿った飲食店の衛生管理のなかでも重要なポイントとなる「二次汚染防止」対策が可能になります。
また、真空パックで密閉することにより、食中毒菌の付着と増殖リスクを低減することが可能です。
真空パックにすることで、食材・食品の長期保存が可能になります。
長期保存により、廃棄する食材が軽減されるため、世界で問題視されている食品ロス対策になるほか、
仕入れた食材を効率的に使うことができるため、経費削減にもつながります。
真空包装機によって真空度に差があります。
食品をより良い真空状態で長持ちさせるには、真空度の高い真空包装機を選ぶ必要がありますが、
性能が高くなればなるほど、価格は上がるため、場合によっては高価になることもあります。
業務用真空包装機には、卓上型と据え置き型がありますが、本体サイズが大きいことが多いです。
卓上型とはいっても家庭用に比べると、それなりに大きなサイズになりますので、
導入する際はある程度広めの設置場所が必要となります。
真空包装機には真空ポンプがついており、ポンプの中にはオイルが入っています。
このオイルは使用するたびに劣化していくため、定期的なオイル交換が必要となります。
オイル交換を行わずに使用してくと、真空度が弱くなり、しっかりと真空できないことや、
真空ポンプが故障する原因にもなります。
アフターサービスの手厚いメーカーを選ぶのが、真空包装機を長持ちさせるコツになります。
真空包装機には様々な種類や大きさのものがあります。
また、用途によって真空包装の方法が変わってきますので注意が必要です。
真空包装の種類として、主に下記の2つがあります。
チャンバーと呼ばれる空間全体を吸引し、パッケージを真空状態にする方法です。
ノズル式に比べて真空度が強く、パッケージ内の食品の空気まで抜くことが可能のため、食品の長期保存に長けています。
業務用真空包装機の多くがこの方式を採用しています。
・真空度が強く、食材の空気まで抜くことができる
・液体や粉末食品にも対応可能
・食材の長期保存向き
・導入コストが高い
・チャンバーのサイズによって使える袋に制限がある
・ノズル式に比べて真空するまでの時間が長い
フィルムの開口部にノズルを差し込み、ノズルからフィルム内の空気を脱気してシールする方法です。
チャンバー式に比べて短時間での真空を可能としていますが、真空度が弱く、脱気包装となっているため、正しい意味での真空包装はできていません。
家庭用真空包装機に多くみられる方式です。
・チャンバー式に比べて短時間で真空が出来る
・導入コストが比較的安価
・シール幅さえ満たしていれば長さは関係ない
・真空度が弱く、食材の空気を抜くことができない
・液体や粉末食品の真空ができない
・ノズル部分が汚れやすい
チャンバー式の真空包装機には、卓上型と据え置き型の2種類があります。
それぞれの特徴を解説していきます。

一つ一つを短時間で真空していくため、少量生産に向いています。
大きさもコンパクトなため、少ないスペースでも使用することができ、
軽量であることから作業場のレイアウト変更時なども持ち運びやすいのがメリットです。
400×600mmサイズ以下の真空袋を使用する場合は、卓上型がおすすめです。

卓上型に比べて1回の真空時間は長くなってしまいますが、機械が大きく、
シール幅が長いことにより、1度に多くの商品を真空することができます。
機械が大きいので、処理能力が高く、使える袋のサイズが多いのも特徴です。
1度に多くの商品を生産したい、1日あたりの真空回数が多い場合は、据え置き型がおすすめです。
一般的なチャンバー式の弱点として、液体を含んだ食品は真空包装できない点があります。
その理由として、チャンバー内を真空にすることで気圧が下がると同時に液体の沸点も下がるため、高温の液体を含んだ食品を真空包装しようとすると、沸騰し吹きこぼれてしまうからです。
そのため、真空包装をするには1度食品を冷却してから包装する必要があり、冷却するまでに落下菌や浮遊菌が混入するリスクが発生することや、冷却することで液体内に含まれていた油分が凝固してしまう問題点がありました。
ホットパックに対応した機種では、温度やフィルムの膨らみを検知して減圧制御することで、作り立ての高温状態でも真空包装が可能となっており、冷却する手間と時間が省けて作業効率もアップします。
医療や福祉・介護の現場では、介護食の調理法として、材の見た目を保ったまま軟らかくする「凍結含浸法」という技術が活用されています。
この調理法を行うにあたって、通常は減圧装置を用いて特殊な酵素を含んだ調味液を食材に染み込ませる必要がありますが、この調理法に対応した真空包装機を使用することで、凍結含浸法を行うことが可能になります。
真空包装機では、ヒーター線が含まれる台座部分に置かれたフィルムを、上からプレスして熱溶着することでシールされますが、厚みのあるフィルムやアルミ袋、ガゼット袋などではきちんとシールできない場合があります。
上下シールに対応した機種では、名前の通り上下から熱溶着するため、通常のシールでは対応できない袋などもシールすることができます。

一つ一つを短時間で真空していくため、少量生産に向いています。
大きさもコンパクトなため、少ないスペースでも使用することができ、
軽量であることから作業場のレイアウト変更時など、持ち運びやすいのもメリットです。

ホットパックに対応しているため、高温の液体を含んだ食品も真空包装することができます。
通常の卓上型真空包装機と同様に、コンパクトで省スペースで使用できます。
冷却する手間を省くことができるため、ほこりや菌が混入するリスクを減らし、
作業時間の短縮にもつながります。

機械が大きいためシール幅が広く、1度に複数の商品を真空することができます。
処理能力が高く、大量生産を目的とする場合には適していますが、
卓上型に比べて導入コストが高くなります。

機械が大きいためシール幅が広く、1度に複数の商品を真空することができます。
最大の特徴は、真空包装後のペッケージ取り出し作業が必要ないことです。
ベルト式では、真空・シールをした商品は、機械の後方に排出されるようになっているため、
通常の据え置き型よりも、作業性と効率性が高くなっています。
業務用真空包装機は、食品やパッケージ内の空気を抜き、内部を真空状態にして包装する機械です。
食品の酸化を防ぎ、鮮度を保ちながら保存期間を延ばすことができるため、食品業界で広く活用されています。
真空包装には、鮮度保持や保存期間の延長、食品ロス削減、HACCP対策など多くのメリットがあります。
一方で、導入コストが高いことや、設置スペースの確保、定期的なメンテナンスが必要といったデメリットも存在します。
真空包装機の選び方では、用途に応じた種類の選定が重要です。
チャンバー式(内部吸引式)は高い真空度を実現し、液体食品にも対応可能ですが、導入コストが高いのが特徴です。
一方、ノズル式(外部吸引式)は短時間で真空でき、導入コストも抑えられるものの、真空度が弱く液体食品に不向きです。
また、卓上型と据え置き型の選択も重要で、少量生産向きの卓上型に対し、据え置き型は大量生産向けです。
様々な種類があり、用途によって選定が変わってくるなど、どのような真空包装機を導入すれば良いのか悩んでしまうのではないでしょうか。
静岡産業社では、機械・設備支援サービスを行う、機械専門チームを設けており、ここまで紹介してきた全てのタイプの真空包装機を取り扱っております。
お客様の要望に合わせ、最適なご提案をさせていただくとともに、導入後の修理やメンテナンスなど、アフターフォローもしっかりさせていただきます。
また、真空包装をするには、真空包装機だけでなく、真空袋の選定も必要です。
真空袋には様々な種類や特徴、商品によって向き不向きなどがあり、適切な袋を選ぶ必要があります。
静岡産業社では包装資材の専門チームも設けていますので、適切な真空袋のご提案もさせていただきます。
真空包装機を導入する際は、お気軽にご相談ください。