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業務用洗剤の選び方と活用ポイント

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業務用洗剤の選び方と活用ポイント

目次




業務用洗剤とは

業務用洗剤は飲食店や工場などでプロが使用するために作られており、家庭用洗剤とはさまざまな点で違いがあります。最近では、業務用洗剤が一般家庭でも使われることが増えてきましたが、違いや特性をよく理解しておくことが大切です。

ここでは、業務用洗剤と家庭用洗剤の違いや、注意点、メリットをはじめ、選び方や活用ポイントについても詳しく解説していきます。


業務用洗剤と家庭用洗剤の違い

1. 洗浄力と成分の強さ

基本的には業務用洗剤の方が成分が強い為、洗浄力は家庭用に比べて強いです。

油汚れ洗剤を例にあげると、業務用洗剤は、頑固な汚れを短時間でしっかり落とすために強力な成分が配合されています。油汚れ専用の業務用洗剤には、強アルカリ性の成分や苛性ソーダなどが含まれており、固まった油汚れを素早く分解します。

一方、家庭用洗剤は手肌や素材への優しさを重視しており、家庭用洗剤では弱アルカリ性が採用されています。汚れを落とす力は業務用ほど強くありません。その代わり、手指に優しく、開封してすぐ使えるなど、家庭で安全に使えるように配慮されています。


2. 希釈の有無と使い方の違い

家庭用洗剤は、買ってすぐに使える「RTU(Ready To Use)」タイプがほとんどで、使い方がとても簡単です。ただし、成分が薄められている分、コストはやや高めです。

一方、業務用洗剤はほとんどが希釈して使うことを前提に作られています。たとえば、5倍~300倍に薄めて使う必要があり、汚れの種類や量に応じて濃度を調整することができます。
家庭用洗剤と違い希釈する手間はありますが、自分で濃度を調整できるため、家庭用洗剤よりも効率よく使えるのが特徴で、使い方によってはコストパフォーマンスが非常に優れたものとなります。

また、お湯(40~45℃)で希釈すると、洗剤の効果をさらに引き出すことが可能です。


3. 容量の違い

家庭用洗剤は500ml~1L程度のサイズが主流で、保管がしやすいのが特徴です。一方、業務用洗剤は5~10Lの大容量で販売されていることが多く、希釈して使うため長期間使用できます。結果として、1回あたりの使用コストは業務用洗剤のほうが安く済むことが多いです。

ただし、大容量である分、保管場所を確保する必要があり、誤って原液をこぼすと危険なため、十分な注意が必要です。


4. 泡立ちと洗い流しやすさ

業務用洗剤は、家庭用洗剤に比べて泡立ちが少ないものが多いです。
泡が少ないとすすぎが簡単で、水の使用量が減り、掃除の時間も短縮できます。
そのため、広い範囲を効率よく掃除する際に適しています。


5. 液性(pH)の違い

洗剤の液性は、pH(酸性・アルカリ性の指標)で決まります。

pH0~2:酸性
pH3~5:弱酸性
pH6~8:中性
pH9~11:弱アルカリ性
pH12~14:アルカリ性

家庭用洗剤では安全性を考え、弱酸性~弱アルカリ性が多いです。手肌や素材を傷めにくいのが特徴です。
業務用洗剤では強酸性や強アルカリ性のものがあり、洗浄力が非常に高いですが、取り扱いに注意が必要です。たとえば、強アルカリ性洗剤は防護メガネやゴム手袋の使用を推奨している場合が多いです。



業務用洗剤の液性と特徴

洗剤の液性は「酸性」「中性」「アルカリ性」の3つに分類され、それぞれ得意とする汚れがあります。以下に簡潔にまとめました。


アルカリ性洗剤

得意な汚れ

酸性汚れ(例:油汚れ、皮脂汚れ、ヤニ)
日常生活で発生する汚れの9割を占める酸性汚れに有効です。

注意点

アルミニウム、皮革、銅などの素材に使用すると変色の可能性があります。
肌や目に刺激が強いため、取り扱いに注意しましょう。
一部アルミや銅製品に対応しているアルカリ洗剤もあります。


中性洗剤

得意な汚れ

軽度の酸性汚れ・アルカリ性汚れ(例:手垢、軽い皮脂汚れ)
手肌や素材に優しく、食器洗い用や赤ちゃん用品に最適です。

注意点

洗浄力は酸性・アルカリ性洗剤より弱いです。


酸性洗剤

得意な汚れ

アルカリ性汚れ(例:水垢、石鹸カス、尿石、カルキ汚れ)
特にお風呂やトイレの掃除に有効です。

注意点

天然石や金属素材を傷める可能性があります。
塩素系漂白剤との混合で有毒ガス発生のリスクもあるため、注意して使用しましょう。




飲食店における業務用洗剤の種類と選び方



1. 食器洗剤の選び方

食器用洗剤の選び方として、液性で選ぶ方法があります。


中性洗剤

・洗浄力はマイルドで、野菜や果物の洗浄などにも安全に使えます。
・手肌に優しいため、毎日の使用に適しています。


弱アルカリ性洗剤

・油汚れや頑固な汚れに強く、飲食店の厨房などに最適です。
・洗浄力が高いが、肌荒れを引き起こす可能性があるため注意が必要です。


ポイント

界面活性剤が多く含まれるほど洗浄力が高いです。
肌荒れが気になる場合は、界面活性剤が少ない商品や手袋の使用を検討しましょう。



2. 掃除用洗剤の選び方

汚れに応じて洗剤を選ぶ方法があります。

酸性洗剤

・水垢や石鹸カスなどのアルカリ性汚れに効果的です。
・特に水回り(シンク、蛇口、トイレ)で活躍します。
・ただし、天然石や金属素材を傷める可能性があるため注意が必要です。


アルカリ性洗剤

・油汚れやこびりついた汚れに強力です。
・床や壁などの頑固な油汚れの清掃に最適です。
・使用時は材質の傷みや肌への刺激に注意しましょう。


注意事項

強力な洗剤を使うと、対象物や手肌を傷つける可能性があるため、使用前に洗剤のラベルや説明書をよく確認し、目立たない箇所で試しましょう。



選び方の具体例

用途を明確にする

食器用なのか、厨房清掃用なのかを明確にします。


洗剤の液性を理解する

酸 性 洗 剤:水垢や石鹸カスに最適です。
中 性 洗 剤:軽い汚れや肌に優しい使用場面に適しています。
アルカリ性洗剤:頑固な油汚れを落とすのに効果的です。


洗剤の成分を確認する

界面活性剤の量、肌への影響、材質への適応性を考慮します。


選び方のヒント

高い洗浄力が必要な場合はアルカリ性や酸性洗剤を検討します。
環境への配慮が必要な場合や、従業員に女性が多い場合には手肌にやさしい中性洗剤がおすすめです。
特殊な汚れや高価な素材を扱う場合は、専門業者やメーカー推奨の製品を利用しましょう。



飲食店における注意点

使用過多にならないようにする

業務用洗剤を大量に使用すると、床や機器に界面活性剤が残り、洗浄後もベタつきが発生することがあります。

この原因の一つに、飲食店で使用する洗剤の種類が多すぎることが挙げられます。特に、新人アルバイトや外国人従業員にとって、すべての洗剤の適切な使用量を覚えるのは困難です。

対策として、使用マニュアルを作成する、掃除担当者を限定するなどの仕組みづくりが求められます。




食品工場における洗浄課題と洗剤の選び方



食品工場では設備の洗浄が重要な業務ですが、「落ちにくい汚れ」に悩むことが多いです。
この項目では、汚れの種類ごとに効果的な洗剤の選び方と、洗浄剤選定の流れについて解説します。


1. 落ちにくい汚れの種類

食材由来の汚れ

油汚れ・タンパク汚れは、特に加熱調理後の焦げ付きや固まりが問題なことが多いです。
でんぷん汚れは、放置すると乾燥してこびりつき、さらに落としにくくなっていきます。


水垢汚れ(スケール)

水中のカルシウムやマグネシウムが原因で発生します。
放置すると機械の動作に悪影響を与えたり、新たな汚れが付着しやすくなります。


カビ汚れ

湿度の高い環境や水滴が溜まる場所で発生します。
放置するとカビ臭や落下菌、害虫の発生、健康被害につながります。



2. 汚れに適した洗剤の選び方

食材由来の汚れ ⇒ アルカリ性洗浄剤

界面活性剤や溶剤を配合した強力なタイプがおすすめです。
熱変性した油やタンパク汚れ、乾燥したでんぷん汚れを短時間で効果的に除去します。


水垢汚れ ⇒ 酸性洗浄剤

カルシウムやマグネシウム由来の汚れを溶解します。
アルカリ性洗剤(例:塩素系洗剤など)漂白剤との併用は有毒ガス発生の危険があるため注意が必要です。


カビ汚れ ⇒ 塩素系カビ取り剤

次亜塩素酸ナトリウム配合で殺菌効果が高く、カビの根にまで作用します。
水や中性洗剤でカビを広げないよう、専用の塩素系剤を使用しましょう。



3. 効果的な洗浄剤選定の流れ

1.汚れの種類・性質を確認

汚れの発生原因と状態を把握します。


2.洗うものの材質を確認

素材を傷めない洗剤を選びましょう。


3.適切な洗浄剤を選択

汚れに応じた洗剤を選びましょう。


4.洗浄方法の選定

手洗いや機械洗浄など、適切な手段を選びましょう。


5.洗浄効果の検証

実際の作業後に効果を確認します。


6.洗浄方法の検証

選定した洗浄方法が効果的かを検証します。


7.洗浄方法の標準化

選定した洗浄方法で継続的な効果を維持するため、洗浄手順をルール化し標準化します。


以上のことから、下記3つのポイントを参考にしながら洗浄剤を選定しましょう。
・汚れの種類に応じた洗剤選定が効率的な清掃の鍵です。
・洗剤使用時の安全性(取扱説明書の確認や保護具の着用)を徹底しましょう。
・定期的な清掃と検証で、機械や設備を清潔で安全な状態に保ちます。




洗剤選びで失敗しないためのチェックリスト

使用目的と洗剤の特性を確認する

清掃対象の汚れや素材に適した洗剤を選びましょう。


コストパフォーマンスを比較する

希釈率や使用回数を考慮し、ランニングコストを計算しましょう。


安全性を確認する

SDS(安全データシート)を確認し、毒性や取り扱い方法を把握しましょう。


供給業者やメーカーのサポート体制を確認する

アフターサポートやトラブル対応が整っている業者を選ぶことで安心して使用できます。




まとめ

業務用洗剤は、飲食店や工場などでの専門的な清掃を目的に開発された高性能な製品で、家庭用洗剤と比較して成分が強力で洗浄力が高いという特長があります。近年では家庭でも使用される機会が増えていますが、適切な取り扱いや使用法を理解することが重要です。業務用洗剤は一般に希釈して使用するタイプが多く、汚れや用途に応じて濃度を調整できるため、経済的かつ効率的です。一方で、成分が強力であるため、誤った使い方をすると肌や素材にダメージを与える可能性があり、使用時には注意が必要です。

特に飲食店では、業務用洗剤の種類が多すぎると新人や外国人従業員が適切な使い方を覚えるのが困難になり、過剰使用や誤使用が原因で床や機器に界面活性剤が残り、ベタつきが発生することもあります。このような問題を防ぐためには、汚れの種類や用途に応じた洗剤選定、使用量の管理、そして明確な使用マニュアルや担当者の限定などの運用ルールを整えることが求められます。

さらに、業務用洗剤を選ぶ際には、液性(酸性・中性・アルカリ性)や成分を確認し、汚れや素材に適したものを選ぶことが鍵です。たとえば、油汚れにはアルカリ性洗剤、水垢には酸性洗剤が効果的である一方、手肌や素材に優しい中性洗剤は軽度な汚れや日常的な使用に適しています。また、希釈率やコストパフォーマンス、安全性の確認も重要で、取り扱い説明書を読み、適切な保護具を使用することが推奨されます。

業務用洗剤を安全かつ効果的に活用するためには、製品の特性や注意点をよく理解し、清掃の対象や状況に応じて適切に選択・使用することが不可欠です。これにより、効率的な清掃が可能になるとともに、設備や環境の維持、さらには安全性の確保にもつながります。




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