- 業者選びの重要性
- 業者選定の具体的なチェック項目
- 食品衛生検査の実施手順と流れ
- まとめ
- 食品衛生検査室で安心と信頼をサポートします
食品衛生検査を外部の検査業者に委託する場合、その選定はとても重要です。
不適切な業者を選んでしまった場合、検査結果に信頼を置くことができず、品質問題や法的リスクが発生する可能性があります。
食品製造業者にとって、信頼性の高い検査業者と提携し検査を行うことは、自社製品の信頼性を高め、結果的に長期的な成功につながるといえます。
信頼できる業者を選ぶためには、どのようなところに注目したらよいのでしょうか。具体的なチェック項目を紹介いたします。
自社製品にとって必要な検査項目を実施できるのかどうか、最初に確認することが大切です。
食品衛生検査といっても、微生物検査や栄養成分分析検査、異物検査等、様々な検査があります。
業者ごとに対応できる項目とそうでない項目があるため、依頼したい検査は実施できるのか、確認します。
また、必要な検査項目がどのくらいの価格、納期で提供可能なのかも併せて確認しましょう。
検査業者が適切な検査能力を持っているのか、確認することは大切です。方法としては、まず、厚生労働省の登録検査機関であることが挙げられます。
登録検査機関とは、政府の代行機関として、業務規程の認可を受けた製品検査を行うことができる検査機関のことです。厚生労働省のホームページに一覧が掲載されています。
(参考:
食品衛生法上の登録検査機関について|厚生労働省)
また、ISO17025等の国際認証を取得しているかどうかを確認することでも検査能力を確認することができます。認証を取得していない場合は、その業者がどのようにして検査の品質を担保しているのかチェックしましょう。
例えば、外部精度管理サーベイに参加しているか、内部精度管理は実施されているか、等の情報を確認し、客観的に見て検査能力に不足が無いかを確認します。
依頼を検討している検査が大量である場合、いくら適切な検査能力があったとしても、検査業者のキャパシティを超えてしまう可能性があります。
自社で依頼する検査の量やスケジュールが、検査会社と合わなければ検査を依頼することができないため、事前に確認することが大切です。
まず、検査業者と検体数、検査項目、検査スケジュール等の打合せを行います。
どのような内容の検査でも事前の打合せは必ず行いましょう。
特に、保存試験のような長期間の検査を依頼する場合、スケジュールのすり合わせができていないと検体の保管スペースが確保できないこともあります。
検査を依頼することになったら、検査依頼書と検体の準備をします。
検査依頼書は業者ごとに専用のフォーマットのものを用意している場合がほとんどです。
依頼書には、検体名や検査項目について正確に記入します。
後日書き換えや加筆はできませんので、記入後に問題が無いか丁寧に確認しましょう。
製造日や保管温度など、報告書に記載が必要である場合は、これらの情報も記載します。
検体は検査の回数分必要となります。
また、細菌検査や分析検査等では、検査の過程で検体を破壊してしまうため、基本的に検体の返却はできません。検査の種類や項目数によって必要検体量が変わってきますので、予め検査業者に確認しておきましょう。
検査依頼書と一緒に検体を検査業者に発送します。検体は適切な条件で保存・発送することが求められます。
誤った温度帯で保存・発送してしまうと、正確な検査結果を得られません。
温度帯や発送方法についても事前に検査業者と打合せしておきましょう。
検査業者での検査が完了した後、検査結果報告書を受け取ります。
報告書の内容を確認し、自社製品から不適切な検査結果が出た場合、製造工程や衛生管理体制に不備が無かったかどうか、見直しを行うことが重要です。
食中毒やクレーム等の大きな問題に発展する前に、是正措置を行うことができれば、企業の信頼性を高めることにつながります。
適切な衛生管理を行うことは、フードロス削減のために不可欠です。衛生検査から得られた情報活用し、衛生的な製造・作業環境を作り上げることによって、製品の安全性を高めることができます。
その結果、廃棄が減り、フードロスの削減につながります。また、賞味期限見直しのために保存試験を行った結果、製品の賞味期限を延ばすことができた場合も、フードロスの削減に貢献できます。
これにより企業は持続可能な生産活動を維持し、環境負荷の低減にも貢献することができます。
食品衛生検査は、消費者に安全で品質の高い製品を提供するために必要不可欠なプロセスです。
企業は、信頼できる検査業者を選び、適切な検査を実施することで、法的リスクを回避し、製品の信頼性を高めることができます。
また、最新の検査技術を活用し、効率的な衛生管理を行うことで、フードロス削減にも貢献できます。
今後も、食品衛生検査の重要性はさらに増加していくため、企業が長期的に成長を遂げるためには、適切な検査体制を整えることが重要です。
食品の安全性と品質は、消費者の信頼を得るために欠かせません。
私たち静岡産業社の食品衛生検査室では、日本の食品衛生法に基づく適切な検査を行い、お客様のリスクを未然に防ぎます。
食品業界の皆様の課題に寄り添い、信頼性の高い製品づくりを全力で支援しますので、お気軽にご相談ください。