スーパーやお弁当屋さんで使われている弁当容器ですが、使い捨ての弁当容器は同じように見えても機能・形状・柄などで様々な種類があり、目的や内容物によって使用する容器は違ってきます。
例えば、機能面ではシール留めが不要な嵌合性の良いものがあったり、形状面では中の食材がよりボリューミーに見えるものや、柄のあるものだとより食材のイメージを引き出せるものなど目的に合った容器が数多く存在しており、特に弁当容器は、形状・仕切りの数・サイズ・素材・柄(色)の種類が豊富です。
今回は特にお弁当を扱う飲食店を中心に、キッチンカー・惣菜店など幅広い業態での弁当容器選びを解説します。
弁当容器は店頭や輸送、配送時において、食品を衛生的かつ安全に保護する役割があります。弁当容器を使用することで、外部からの衝撃などの物理的な要因から食品を保護し、食品が潰れたり、形が崩れるのを防ぐことができます。
また、弁当容器の中に仕切りを設けることによって、食品ごとの区分けを可能にし、味の混同を防ぐことで衛生的な状態を保つことができます。そしてこの仕切りにより、輸送や配送時に生じる揺れや衝撃などによって、食品のレイアウトが崩れるのを防ぐことができます。
弁当容器には作業を効率化するための様々な機能が備わっており、商品を綺麗に陳列することを可能とした形状のデザインや、食材の盛り付け補助機能、蓋の開閉がしやすい機能など、作業者の負担を軽減する機能があります。
また、在庫管理を容易にするための積み重ねがしやすい機能を利用することで在庫スペースを縮小し、作業スペースや更なる在庫スペースの確保など、工程削減や省人化に貢献しているものもあります。
例えば、スーパーや飲食店舗などのお持ち帰りを前提とした目的であれば、ある程度容量が大きいものや嵌合性の高いもの。キッチンカーやイベントなどの場合は、持ち運びやすい形状のものや、すぐに捨てることが可能な環境に配慮したものなど、目的によって使用するべき容器が変わってきます。
弁当容器の中にも低価格帯のものから高価格帯の容器があり、使われている素材によって価格帯が分かれていることがほとんどです。発砲容器と呼ばれるものはよく目にすることが多く、比較的安価な部類とされ、高級感を演出できる紙製・木製容器は高価格になりやすい傾向があります。
使用する容器の素材に注目して選ぶ手段もあります。保温性のある発砲容器や、電子レンジに対応し透明性のあるプラスチック容器、環境配慮や高級感を演出できる紙製・木製容器など、販売する内容物や価格帯に合った素材を選ぶことも重要です。

選び方の目安を知ったあとは、実際に選ぶ際に気を付けたい4つのポイントをご紹介します。
弁当容器の容量と形状は、提供するメニューによって慎重に選ぶ必要があります。メニューに対して容器が小さすぎると見栄えが悪く、大きすぎると料理が寂しく見えてしまいます。
具体的には、ご飯もののお弁当には800ml前後の容器が適しており、サラダ系には浅型で広めの容器が向いています。また、仕切りの有無や配置も重要で、汁気のあるおかずと乾き物を分けて盛り付けできる設計を選びましょう。
形状については、長方形は一般的なお弁当に、丸型は丼物や麺類に適しています。メニュー構成を見直し、最も使用頻度の高い容器から優先的に検討することをおすすめします。
スーパーで買ったお惣菜を電子レンジにかけたら容器が溶けてしまった!なんてことはありませんか?お客様が安心して温め直しできることで、より美味しく料理を楽しんでいただくにあたり、電子レンジ対応は必須機能といえるでしょう。
また、汁漏れ防止機能も重要な要素です。特に、スープや煮物を含むお弁当では密閉性の高い蓋が不可欠です。
その他、冷凍・冷蔵保存対応なども考慮すべき機能です。たとえば、作り置きお弁当を販売する場合は、冷凍保存から電子レンジ加熱まで対応できる容器を選ぶことで、オペレーションが格段に楽になります。
弁当容器の見た目は、お客様の購買意欲に直結する重要な要素です。高級感のある黒色容器は和食に、透明容器はサラダや彩り豊かな料理によく合います。
コストパフォーマンスを考える際は、単価だけでなく機能性や耐久性も含めた総合的な価値を評価しましょう。安価な容器でも機能不足によりクレームが発生すれば、結果的にコストが高くなってしまうことも。
食品容器は人によって使用方法は様々です。例えば、どんぶり容器にラーメンを入れるなど、メーカーが想定している以外の使い方もあります。自分の使用方法や内容物にマッチしているのかを一度試すために無料でサンプル依頼ができるかどうかはとても重要になります。
静岡産業社では、お客様のサンプル依頼にはできるだけ対応できるよう努めています。商品によっては有償の場合や、サンプルを取り寄せることができないものもありますので、ご検討している場合はお気軽にお問い合わせください。

お客様の満足度向上と店舗のオペレーション効率化を両立させるためには、提供する業種やメニューの特性に合わせた容器選びが不可欠です。ここでは、現場で特に重視されるべきポイントを、代表的な3つの業態に分けてご紹介します。
移動販売を行うキッチンカーや屋台では、限られた作業スペースでの効率と、お客様が持ち運びやすい利便性が容器選びの最優先事項です。
軽くて重ねて保管できる容器を選ぶことで、在庫管理が楽になり、出店場所への搬入・搬出や営業中の作業効率が飛躍的に向上します。
発泡スチロール製のフタ付き容器は、軽さだけでなく優れた保温性も兼ね備えており、温かいメニューに最適です。また、片手で素早く開閉できるワンタッチ式のフタは、混雑時のお客様への提供スピードアップに貢献します。
焼きそばやたこ焼きのような油分を含む屋台メニューには、油染みに強く、軽量な紙製容器がおすすめです。屋外での使用を考慮し、風で飛ばされにくい安定した形状や、お客様が片手で食べやすいデザインを選びましょう。
大量に調理し、配送や長時間保存に対応する必要があるお弁当屋や仕出し業者では、業務の効率化と食品の安全性・品質維持を両立できる高性能な容器が成功の鍵となります。
電子レンジでの再加熱や冷凍保存が可能な密閉性の高いプラスチック容器が特に選ばれています。これにより、作り置きから店舗外への配送まで、一貫した品質管理が可能になります。
仕切り付きの容器を活用することで、主菜、副菜、ご飯の盛り付けバランスが整い、見た目の美しさを高めることができます。特に企業向けの仕出し弁当では、視覚的なアピールがリピート注文獲得の重要な要素となります。
サラダや冷菜系のテイクアウトメニューでは、鮮度を保つことと、彩り豊かな食材を魅力的に見せるための容器選びが重要です。透明性と通気性がカギとなります。
透明度の高いプラスチック製深型容器は、サラダを立体的に盛り付けることを可能にし、ボリューム感と新鮮さを強調できます。ドレッシング用の小分け容器を一緒に収納できる設計のものを選ぶと、利便性が向上します。
冷蔵保存時に発生する結露による水滴対策も重要です。容器の内側に凹凸(エンボス)加工が施されているタイプは、水滴の付着を軽減し、野菜のしなびを防ぎます。こうした細かな配慮が、高単価なプレミアムサラダの商品価値を高める差別化ポイントになります。

お弁当容器を選ぶ際、初期コストやデザイン性ばかりを重視し、現場の機能性を軽視することで、後になって大きな問題が発生するケースが多々あります。ここでは、多くの事業者が経験する主な失敗例と、それを未然に防ぐための具体的な対策をご紹介します。
蓋がしっかりと閉まらない、または料理が押しつぶされて盛り付けが崩れる。
料理の見栄えが悪く、お客様に「量が少ない」というネガティブな印象を与えてしまう。
容器のサンプルを取り寄せ、実際のメニューを盛り付けて蓋が確実に閉まるかを確認する工程を組み込みましょう。特に、ご飯や嵩張るおかずの量を基準に、適切な深さと面積を見極めることが重要です。
現在は「テイクアウト弁当は温め直して食べる」というニーズが一般的です。電子レンジに対応していない容器を選んでしまうと、「自宅で温められない」という理由でお客様からのクレームや不満につながります。
容器の仕様書やパッケージに記載されている**「電子レンジ対応可否」**を必ず確認しましょう。対応可能なプラスチック(例:PP:ポリプロピレン)など、耐熱性の高い素材を選ぶことが、現代の標準的な要求を満たすための必須条件です。
密閉性や耐油性の低い容器を使用すると、配送中やお客様が持ち運んでいる最中に汁気が漏れ出し、他の商品や衣類を汚してしまう重大なトラブルに発展します。特に汁気の多い和食や丼物で発生しやすい失敗です。
密閉性の確認: 実際に汁気のあるメニューを入れ、容器を傾けたり、軽く振ったりする「運搬シミュレーション」を実施しましょう。
蓋と本体がしっかりと噛み合う嵌合性の高い容器を選ぶことで、汁漏れリスクを大幅に軽減できます。また、油分を多く含むメニューには、耐油加工が施された素材を選ぶことも不可欠です。

MSDレイアは、現代の量目に合わせてポケットの間口を従来品の約半分に設計し、盛り付け量の調整を容易にすることで作業効率を向上させています。
さらに「安心かん合」設計によりテープ留めが不要となり、フタがしっかり閉まるため作業削減とコストカットを両立。加えて、浅く四角い形状にすることで輸送効率を高め、1コンテナあたりの収納数を従来の4個から5個に増やすことを可能にしています。

KBシリーズは、廃棄物として処理されていたサトウキビの絞りかすであるバガスを有効利用した環境配慮型バガスモールド容器で、屋外イベントやキッチンカー、デリバリーにおすすめです。
内面にCPPフィルムを貼ることで耐油性・耐水性を強化し、水分の多いおかずをいれても大丈夫な設計となっているだけでなく、電子レンジにも対応しています。
また、スタッキング性に優れているため、持ち運ぶ際などに積み重ねをしやすいのも特徴の1つです。高フタ形状なことから、幅広い盛り付けのバリエーションを可能とし、ボリューム感を演出することが可能です。

CTシリーズは、ポリプロピレン(PP)にタルクを配合した素材で、耐寒性や耐衝撃性を向上させた「耐寒CT」を使用した容器が特徴です。この容器は耐熱温度130℃、耐寒温度−20℃(静止条件)で、冷凍から電子レンジ加熱まで幅広く対応可能。
発泡や延伸がない硬い素材のため、冷凍効率に優れ、トップシール、真空包装、ピロー包装など多様な包装形態に適しており、冷凍弁当を開発する際におすすめです。
弁当容器は一見同じに見えても、容量・形状・仕切り・素材・柄など多様な種類があります。そのため、メニューや用途に合わせて選ぶことがとても重要です。
選ぶ際のポイントとしては、まず「目的に合った機能か」を確認すること。持ち帰り用なら汁漏れしにくい嵌合性の高いもの、イベントやキッチンカーでは軽量で持ち運びやすい容器が適しています。
容器の素材にも特徴があり、保温性の高い発泡容器、電子レンジ対応のプラスチック容器、環境配慮型の紙・木製容器など、価格帯や内容物に合わせて選択することが大切です。
また、失敗を防ぐためには実際に料理を盛り付けてサイズ感を確認したり、電子レンジ対応や耐油性・密閉性などの機能性を事前にチェックすることが欠かせません。無料サンプルを活用することで、より適した容器を見つけやすくなります。
弁当容器は商品の魅力を左右する重要な要素です。お客様満足と業務効率向上につながる最適な容器選びを心がけましょう。
静岡産業社では、最大3500社からなる幅広い調達先と、155000点以上の取扱商品から、 お客様のニーズに合わせてご提案させていただきます。
容量・形状・素材・嵌合性(密閉性)など、豊富な選択肢から最適な1つをしっかりとご提案いたします。また、電子レンジ対応や汁漏れ防止、高級感のあるデザインなど、現場で求められる機能に対応した容器や、実際の盛り付けを確認できるサンプル手配も可能です。
飲食店・スーパー・キッチンカーなど、業態に合わせて容器選びをサポートいたしますので、お気軽にご相談ください。