- バガスとは
- バガス容器誕生の背景とその目的
- バガス容器のメリットとデメリット
- 事例紹介
- おすすめのバガス製品
- まとめ
- 環境に配慮した資材の選定ならお任せください
「バガス」とは、サトウキビから砂糖を作るため、糖汁を絞り取った際に残った繊維質のことです。主に砂糖の製造過程で発生し、長い間廃棄物とされてきましたが、近年では再利用が進んでいます。サトウキビは世界で年間約12億トンも生産されており、そのうち約1億トンのバガスが発生していると言われています。
バガスは燃料として利用されるほか、紙製品やバイオプラスチックの原料としても使われており、特に環境に配慮したバガス容器の素材として注目されています。
バガスを使用した容器は、バガス容器やパルプモールド容器と呼ばれています。これらはプラスチックに代わるエコな選択肢として注目され、自然分解性があり、燃やしても有害な化学物質をほとんど排出しないことが特徴です。
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、テイクアウトやデリバリーを導入した店舗とその利用者は爆発的に増えました。しかし、それと同時にテイクアウトに欠かせない容器による『ごみ』が問題となっています。
テイクアウトに使われる容器のほとんどは、プラスチック製の容器や蓋を使用しています。そして現在、世界的にプラスチックごみの問題が深刻化しています。プラスチックは安価で大量生産に向いていることから、食品容器やカトラリーなどの使い捨てプラスチックが多く使用されています。
しかし、これらは石油から作られてた有限資源であるため、枯渇してしまう恐れや、製造から焼却までの過程で大量に二酸化炭素を排出してしまうことが問題視されています。また使用済プラスチックが適切に処理されず、海に流されることによって、海洋プラスチックごみ問題が深刻化してしまうことも懸念されています。
最近では脱プラスチックの動きもあり、環境にやさしいエコ容器を採用するお店が増えています。テイクアウトが急増する前から叫ばれていた『プラごみ問題』は、いまも深刻化しているのです。そんな環境問題への関心の高まりから、プラスチックの代替素材として、『バガス』製の容器が注目されています。
バガス容器の原料であるバガスは、これまでも牛の飼料やボイラーの燃料など、様々な用途に利用されてきましたが、余った分は廃棄されていました。廃棄していたバガスを利用することでごみを減らし、資源を有効活用することができます。
また、バガスは砂糖を生産する際の副産物なので、安定的に供給されることもメリットです。
バガス容器を使用することでプラスチック容器の消費量が減ることになります。プラスチック容器と違い、使用後は可燃ごみとして処理できるため、処理がしやすいのが特徴です。
バガス容器を可燃ごみとして燃やした場合、サトウキビが吸収したCO2が大気中に戻るだけなので、CO2排出量が増えることはありません。さらに、バガス容器はすべて植物由来の原料から作られているため、土に埋めてもバクテリアによって分解され土に還ります。
プラスチックだけでなく、木材パルプの代わりとして使用することで森林伐採量を減らせるので、木材などを使用した紙トレーと比較しても環境にやさしいトレーです。
内側にコーティング加工されたバガス容器は耐水性・耐油性があるため、汁ものや油ものなどにも使用可能です。さらに、深さのある容器やフードパック型のものなど、さまざまな形状に成形加工できる特徴があるため、幅広い用途で活用することができます。
近年、SDGsへの取り組みなどから、企業の環境に取り組み姿勢が注目されています。消費者の中にも、環境に配慮した商品をなるべく購入しようという動きも見られています。このような社会において、環境に配慮したバガス容器を使用することは、消費者からの企業イメージの向上につながります。
ある程度の耐水性・耐油性は供えてはいるものの、汁漏れを完全に防ぐことは難しいため、高い耐水性を必要とする商品には不向きです。また、湿気にも弱いため、食品の長期保存にも向いていません。
採用されている事も多いバガス容器ですが、プラスチック容器と比べるとコストが高いことがあげられます。開発された当初に比べ、生産工程を見直したことでコストダウンが図られましたが、やっと採用を検討される範囲内のコストになったというのが現状です。
群馬県に本店を置く弁当製造販売業を手掛ける株式会社荻野屋様では、釜型のバガス(パルプモールド)容器を使用しています。元々は益子焼で造られた土釜型容器を使用しており、「日本随一の人気駅弁」と言われるほど全国で有名なお弁当です。
バガス容器を採用した理由として、陶器が重いという意見が多かったため、陶器よりも軽く、食事後も可燃ごみとして処理が可能で、使われている素材が地球環境にも優しいということからバガス容器の採用に至ったそうです。
この取り組みが評価され、2013年には「GOOD DESIGN賞」を受賞しており、売り上げの一部を地球と未来の環境募金に寄付しているそうです。
容器についてのこだわり | 荻野屋 (oginoya.co.jp)
福井県では、容器や袋を全てプラスチックフリー製品で提供する食品イベント「福丼ワール丼フェス」を毎年開催しています。
このイベントで使用される袋や容器は、竹やサトウキビの搾りカスを原材料としたバガス容器や、「食べられる器」を使用されており、究極のプラスチックフリー食イベントとして、海洋ごみゼロへの意識を高めることを目標としています。
今年はイベント内で、一次審査会を通過した5組の高校生チームが大賞を狙い、自分たちの考える海洋ごみへの取り組みのプレゼンを行う「ふくい海洋ごみアクション選手権」を開催しました。見事この大賞に選ばれたアイディアは、実現に向けて県内企業とマッチングをするなど、県内の高校生を対象にした取り組みを行い、若年層への海洋ごみ削減の啓発もしています。
オールプラスチックフリーイベント福丼ワール丼フェス開催!! | 福丼県 (fukudon.jp)
株式会社ケーピープラテック様では、バガス容器であるKBシリーズを展開しています。
KBシリーズは、廃棄物として処理されていたサトウキビの絞りかすであるバガスを有効利用した環境配慮型バガスモールド容器となります。内面にCPPフィルムを貼ることで耐油性・耐水性を強化し、水分の多いおかずをいれても大丈夫な設計となっているだけでなく、電子レンジにも対応しています。また、スタッキング性に優れているため、テイクアウトデリバリーや、持ち運ぶ際などに積み重ねをしやすいのも特徴の1つです。高フタ形状なことから、幅広い盛り付けのバリエーションを可能とし、ボリューム感を演出することが可能です。

株式会社シモジマ様は、サトウキビ由来の非木材系天然パルプ商品として、バガスペーパーウェアシリーズシリーズを展開しています。
フードパックをはじめ、スープカップやどんぶり、ボウル、プレート、カレー皿など、多種多様に展開しており、サイズ展開も豊富なため、用途にあった容器を選べるのが特徴です。耐油・耐水加工を施しており、電子レンジにも対応しています。
バガス容器はサトウキビの搾りかすを再利用した自然素材で作られており、プラスチック製品に代わるエコな選択肢として注目されています。その最大の利点は、生分解性が高く、使用後に自然に還るため、廃棄物としても環境負荷を大幅に減らすことができる点です。また、コーティング加工されたものは耐水性・耐油性にも優れており、電子レンジでの使用にも対応しているため、飲食業界を中心に広く活用されています。
バガス容器の導入は、企業の社会的責任の取り組みをアピールし、環境意識の高い消費者からの支持を得やすくなります。持続可能な資源を利用することで、消費者との信頼関係を強化し、ブランドイメージを向上させることができます。一方で、コストがプラスチック容器より高いという課題がありますが、環境保護を重視する消費者層の拡大とともに、将来的な利益向上が期待できます。
バガス容器を導入することで、企業は環境とビジネスの両立を目指し、持続可能な未来に貢献できるのです。
静岡産業社では、バガス容器をはじめ、紙容器や、バイオマス容器などを取り扱っています。
また、容器だけでなく、バイオマス袋、木製カトラリーなど、環境に配慮した様々な商品を取り扱っており、包装資材専門チームを設けていますので、お客様のニーズに合わせた最適な商品選定をお約束いたします。
昨今では企業によるSDGsへの取り組みが注目されていることもあり、環境に配慮した資材を使用することは大きなアピールとなります。お気軽にご相談ください。